決勝以来ずっと沈黙を守っていたジダンだったが、ついに自らこの件について語った【 (C)Getty Images/AFLO 】 パリのホテル・クリヨンのバルコニーにレ・ブルー(フランス代表)のメンバーが姿を現すと、割れるような歓声が上がった。ワールドカップ(W杯)決勝でのPK戦の末の敗北、それに先立つ延長後半5分に起きたジダンの退場のショックから一夜が明けた7月10日、コンコルド広場に集まったフランスの国民は、ボロボロになりながら最後まで戦った選手たちを温かく、情熱的に迎えた。PKを外した直後に硬い表情を保っていたトレゼゲは、アンリの肩を借りて泣いていた。試合後、子供のように涙を流していたテュラムは、笑顔で観衆に手を振った。そしてジダンもそこにいた。悲しげな表情で、国民に最後のあいさつをしたジダンは、その日の新聞でかなり厳しく批判されていた。 その翌日、彼を非難していた新聞は、言い過ぎたこ