エスノグラフィーは「参与観察」とも訳される文化人類学の手法で、「フィールドワーク」の方が馴染みのあるひとも多いだろう。典型的な研究は、アフリカや中南米、南太平洋などの伝統的社会に長期間滞在して、学問的に定型化された手法によって文化や慣習、ひとびとの日常などを記述するというものだ。 【詳細画像または表】 その後、エスノグラフィーの手法は先進国の社会に拡張され、黒人や移民などのマイノリティ、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)のような性的少数者のコミュニティが参与観察されるようになった。日本では、1980年代の暴走族を参与観察した佐藤郁哉氏の『暴走族のエスノグラフィー』(新曜社)がよく知られている。 文化人類学者の木村忠正氏は、「偶然の巡りあわせに導かれ」1995年頃からインターネット研究に取り組むようになった。その過程で、ネット上のコミュニティを分析する際にも、エ
内戦下のシリアで3年4カ月にわたって拘束され、昨年10月に解放されたフリージャーナリスト安田純平さん(44)の帰国報告会が、神戸市中央区の市勤労会館であった。県弁護士九条の会などが主催し、約500人が参加した。 【写真】シリア拘束時に公開された映像 安田さんは長野県の信濃毎日新聞記者からフリーになり、中東などを取材。2015年6月、トルコからシリアへ入ったところで拘束された。 報告会で安田さんは、拘束の経緯を「間抜けな話」と振り返った。入念な準備をしたものの、真っ暗な山中に1人取り残され、予定外の案内役と行動を共にして拘束されたという。 ただ、04年にイラクでスパイ容疑で拘束され、すぐに解放された際、「人質」と報道された点との関連も指摘。「インターネットに報道が残っており、拘束組織も検索して知っていた。はっきり言えば『人質』はデマだが、日本は身代金を払うと思わせてしまっている」とした。 一
映画のキャッチコピーは、「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」だ。“37分間の安っぽいゾンビ映画” が終わったその後に「何かが起こる」というのがこの映画の肝だが、社会現象ともいえる熱狂のなか、監督と原作者の間にも「何かが起きていた」とは、誰も思いもよらなかったであろうーー。 【関連】指原莉乃に斎藤工が絶賛「制作費300万円」映画の撮影現場 「映画の評判は、僕も周囲から聞いていました。そんなとき、過去に僕が主宰していた劇団の後輩から『あれ、先輩の作品が原作ですよ。知らなかったんですか?』と言われて、初めてその映画が、僕の演出した舞台『GHOST IN THE BOX!』(以下『GHOST』)をもとに作られたことを知ったんです」 そう語るのは、2011年から2014年まで劇団「PEACE」を主宰していた和田亮一氏(32)。彼の言う“映画”とは、『カメラを止めるな!』のことだ。 6月2
「タッキー&翼」の滝沢秀明(35)が、英科学誌「Scientific Reports」電子版に掲載された鹿児島県・薩摩半島沖の海底火山「鬼界カルデラ」に関する論文に執筆者として名を連ねたことが9日、分かった。 【写真】タッキー、結婚「いつかは…」 研究は神戸大海洋底探査センターは「鬼界カルデラ」にある溶岩ドームを調査したもの。同日放送されたNHK総合「ニュースチェック11」(月~金曜・後11時15分)によると、滝沢は自ら25~30メートル潜水し、溶岩を採取した。 するとその溶岩ドームの岩石が、鬼界カルデラで約7300年前にあった超巨大噴火の後に発生した噴火で新たに誕生したものと判断された。溶岩ドームは現在もマグマの供給を受け、膨張している恐れもあるという。 滝沢は「火山探検家」として知られ、テレビ番組などで世界各地の火山を訪れる様子が何度も放送されている。 番組に対して、巽好幸センター長は
若い人たちにおたずねします。あなたは「地元に残りたい派」ですか? それとも「都会に行きたい派」ですか? 都会派と答えた人には、耳に入れておきたいニュースがあります。政府が「東京23区の大学は、もう定員を増やさない」と決めたのです。 もともとは全国知事会から「東京一極集中を変えるため、大学の定員を規制してほしい」という声があがったのが始まりです。これを受けて政府は6月に閣議決定した「骨太の方針2017」に盛り込みました。来年にも文部科学省は規制する方針です。 首都圏には全国の学生の4割が集まっています。東京23区の大学の学生数は2010年から16年の間に約3万人増えました。志願者が10万人を超える私立大学も増えてきています。このまま若者が都心に流れては地方はたまらない、と知事らや政府は考えたのです。 実はすでに政府は、定員より多くの学生を入学させている大学の補助金を減らす、という手を打ち始め
◇対策法施行から1年 言動過激化の経緯証言 6月3日、ヘイトスピーチ対策法が施行されて1年となる。在日コリアンらを標的に、差別をあおるヘイトスピーチデモに参加し、「突撃隊長」と呼ばれた男性会社員(38)が毎日新聞のインタビューに応じた。ネット上に掲載されたデマを真実と思い込んでデモに参加し続け、言動が過激化していった経緯を証言した。「いま振り返ると間違っていた」。そう、深い後悔の念を示す。【後藤由耶/写真映像報道センター】 【動画インタビュー】これ以上傷つけないで ◇参加のきっかけは東日本大震災 ヘイトスピーチデモに参加したきっかけは、2011年3月11日の東日本大震災だった。東京電力福島第1原発事故に伴う計画停電の影響で、勤務先の業務に支障が生じ、3日間も帰宅できなかった。そんな中、ネットで「反原発は、左翼勢力と在日コリアンの勢力が結託して日本経済を破壊するために行っている」といっ
大人げない。その一言に尽きるのが、今村雅弘復興相(70)の激昂会見である。質問者に対し声を荒らげ「うるさい!」と捨て台詞を吐く。この醜態に野党は辞任を求め総理が謝罪する騒ぎとなった。きっかけを作ったのは、フリージャーナリスト・西中誠一郎氏(52)の質問だが、彼の来し方を辿ると、この会見の “闇の奥”が見えてくるのだ。 *** 新聞、テレビは、まるで鬼の首をとったかのようにこの一件を報じた。 〈「切り捨てたい国の本音」 復興相発言 自主避難者ら反発〉(4月6日付朝日新聞)〈復興相発言「悲しい」自主避難者ら抗議次々〉(同日付毎日新聞) いかに国が被災者を冷遇しているかと突き上げるが、そもそも、4月4日の会見で焦点となった「自主避難者」とは、原発事故で国の定める避難指示範囲の外に住む避難者のことを指す。 福島県生活拠点課の話。 「国と県は、災害救助法に基づき自主避難者に対しても先行き
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