600万円をかけた不妊治療の後、里子を引き取る決断をした漫画家の古泉智浩さんへのインタビュー後編。その子育ての模様と里親制度について赤裸々に綴った『うちの子になりなよ』(イースト・プレス/11月15日刊行)で、古泉さんが伝えたかった“里親”の実態とは? 【前編はこちら】600万円の不妊治療を経て里親に―『うちの子になりなよ』著者・古泉智浩が語る 里子は、実親から“預かっている”だけ ――不妊治療の果てに里子を預かったということですが、里親制度の存在を知ったきっかけはなんだったのでしょう。 古泉智浩さん(以下、古泉):僕の友人で、お付き合いしている彼女とその連れ子と一緒に住んでいた人がいるんですけど、相手の女性が子どもを置いて突然失踪してしまったんです。でも友人は血の繋がっていないその子を実の子のようにかわいがっていて、「法律相談に行ってその子を自分の籍に入れたいと思っている」って話をしてい