トラックを疾走する山本浩之(右)と副島正純=小宮路勝撮影義手を着けて走る多川知希=関口聡撮影 「手足」が進化を続けている。9月6日から北京で始まるパラリンピック。この障害者スポーツの祭典に出場する選手たちの義手や義足、車いすのことだ。素材や重さ、体にどれだけなじむかが勝負の行方を握ることもある。 陸上100メートル、200メートルなどに出場予定の多川知希(ともき)(22)=横浜市=は生まれつき右腕の先がない。「体一つで勝負したい」と、義手はこれまで着けていなかったが、体のバランスを整えるため今回初めて義手をつくった。 義肢装具士、沖野敦郎さん(29)が依頼を受けたのは6月。「着けたら速くなるとは思っていた。でも国内で同じような例はないし、海外の情報も少ない」と戸惑った。 国内外のカタログを見て、日本製の子ども用の義足に注目。ステンレス製の部品を取り寄せ、マグネシウムに変えるなど改良