下水道は本来、生活や産業活動で汚れた水を海や川へ排出するための水路だが、現代の下水道はその限りだけではなくなってきている。排水が海や川を汚染しないよう、さまざまな処理を施して汚れを取り除いているのだ。また、処理の現状を知れば、地球環境を守るために、個々がどんな工夫をできるかも見えてくるだろう。 そこで、どのように水を浄化しているのか具体的に学ぶため、大阪市下水道科学館でお話を聞いてきた。 まず、施設の概要を一通り確認しておこう。大阪市下水道科学館は下水道がどんな役割を果たしているか広報するために造られた施設で、下水がどのように処理されているか、水や地下がどのように利用されてきたか、体感しながら学べる。 平成7年に近代下水道事業開始100年を記念し、下水の学習施設として建てられた建物は6階建てで、1階のエントランスを入ると、ロビーには色とりどりの魚が泳ぐ「ふれあい水槽」がある。地下には、大き