介護の現場では、きつい仕事のわりには報酬が低いことなどを理由に介護職を離れる人が多く、人手不足による「介護保険制度崩壊」の危険性さえ指摘されている。10月末に政府・与党がまとめた追加経済対策には、こうした介護職員の賃金増加などを目的として、介護保険制度発足の平成12年以来、一貫して低く抑制されてきた介護報酬(介護サービスの公定価格)を来年4月から総枠で3%アップすることが盛り込まれた。ところが、このアップ分が介護職員の待遇改善につながらないという懸念が高まっている。(桑原雄尚)保険料値上げは抑制 介護報酬の改定は3年に1度行われる。これまでは、介護の総費用を抑えるという目標を掲げ、平成15年度は2・3%、18年度は2・4%と、いずれも引き下げられた。この結果、介護職員の給与も抑えられ、介護現場では離職が進行。介護職の人手不足は介護崩壊を引き起こしかねず、待遇改善が緊急課題となっていた。 政