序の前に、285の392番歌番に記載した「万葉時代の梅」を読んでみてください。 souenn32.hatenablog.jp では、序の訳文 「天平二年正月十三日、帥の老の邸宅に集まって、宴会をくりひろげた。 折しも、初春の佳き月で、気は清く澄みわたり風はやわらかにそよいでいる。 梅は佳人の鏡前の白粉(おしろい)のように咲いているし、蘭は貴人の飾り袋の香のように匂っている。 そればかりか、明方の峰には雲が往き来して、松は雲の薄絹をまとって蓋(きぬがさ)をさしかけたようであり、夕方の山洞には霧が湧き起こり、鳥は霧の帳に閉じ込められながら林に飛び交うている。 庭には春生まれた蝶がひらひら舞い、空には秋来た雁が帰って行く。 そこで一同、天を屋根とし地を座席とし、膝を近づけて盃をめぐらせる。 一座の者みな恍惚として言を忘れ、雲霞の彼方に向かって胸襟を開く。 心は淡々としてただ自在、思いは快然として
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