アベノミクスの6年を振り返ると、ようやく第二段階を迎え、これからが楽しみな段階に差し掛かっている、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は主張します。 ***** 来年初に景気見通しの記事を寄稿する予定ですが、それに先立ち、アベノミクスの6年間を振り返り、景気の現状を認識しておきましょう。 不思議だったアベノミクス景気の第一段階 アベノミクスは、6年前に始まりましたが、その景気回復過程は実に不思議なものでした。3本の矢は金融政策と財政政策と成長戦略ですが、成長戦略は供給サイドを重視するもので、景気とは直接関係ないので、本稿では触れないこととします。 財政政策は、当初の景気回復には有効でしたが、間もなく建設労働者が不足して予算通りに公共工事が実施できなくなったため、景気回復効果は限定的なものにとどまりました。 そうなると消去法で、景気を回復させた主因は金融緩和だったことになりそうです。しかし、当初