「High Bandwidth Memory(HBM)」は、TSV(Through Silicon Via)技術を使いメモリチップから多数の信号線を引き出し、高バンド幅のDRAMモジュールを作るという技術で、メモリ関係の標準化を担当してきたJEDECで標準化が行われている。 一方、ThruChipの技術は、慶応義塾大学(慶応大)の黒田教授のグループが開発してきた3D実装されたチップ間を磁気結合で信号伝送するという技術で、積層されたチップ間をTSVで繋ぐより低コストで3D実装ができるのが売りである。ただし、JEDECのような強力な標準化団体が、この技術の採用には動いていないので、今後、支持を広げられるかどうかが鍵である。 DRAMチップは多数のメモリアレイを集積しており、それぞれのアレイから数千ビットを並列に読み出すことができる。従って、チップ自体は非常に大きなバンド幅を持っているのであるが
2016年6月には、理化学研究所(理研)のスーパーコンピュータ(スパコン)「菖蒲」でGreen500で1位、TOP500でも94位とTop100入りを果たして注目を集めたPEZYグループであるが、2016年11月のTOP500では新システムの登録は無く、Green500でもNVIDIAのP100 GPUを用いるシステムに抜かれて3位に後退した。沈黙を守るPEZYグループは、今、何を進めているのであろうか? 2016年12月に東京大学(東大)で自動チューニングに関するシンポジウムが開催され、そこで、PEZYの石川仁氏が招待講演を行った。自動チューニングのシンポジウムであるので、プログラミング関係の話が中心であるが、その発表の中に、PEZYが今、何をやっているのかについて、いくつかのヒントになる情報が発表された。同講演の内容をもとに、その動きを読み解いてみたい。 ちなみにPEZYグループである
メニーコアプロセッサーやスーパーコンピューター(スパコン)の分野で、相次ぎ話題のベンチャーを立ち上げている起業家、PEZY Computing 代表取締役社長の齊藤元章氏が、がん医療の変革に挑む新会社「Infinite Curation」を立ち上げた。人工知能とスパコンを駆使し、日本人に合わせた遺伝情報のキュレーション(収集・選別)システムを開発する。分析機器・科学機器に関する展示会「JASIS 2016」(2015年9月7~9日、千葉・幕張メッセ)の特別講演でその構想を語った(関連記事1)。 齊藤氏は、放射線科医としての医師資格を持つ。医療用画像処理システムを手掛けるベンチャーの創業・経営に携わった後、メニーコアプロセッサーやスパコンの開発を手掛けるベンチャーを相次ぎ創業。2015年には「ロボットスーツHAL」を手掛けるCYBERDYNEとの提携でも話題となった(関連記事2、同3)。 新
1000倍高速な次世代スパコンとAIエンジンが日本からシンギュラリティを創出する 2016.08.01 Updated by Yuko Nonoshita on August 1, 2016, 08:22 am JST 2045年に到来すると予言されているシンギュラリティを現実のものにしようとする動きが加速している。大阪で開催された第1回シンギュラリティ・シンポジウムに登壇したPEZY Computing創業者の齊藤元章氏は「シンギュラリティの到来にはハードとソフトの両方の進化が必要であり、次世代AIエンジンと次世代スパコンの登場によって最強の科学技術基盤がまもなく出現する」と言い、自身でもシンギュラリティの実現を進めていると語る。 ▼PEZY Computing創業者の齊藤元章氏 ▼技術的特異点の創出はハードとソフトの両面から取り組む必要がある。 スパコンの開発競争も激化しており、注目す
メニーコアプロセッサを開発するPEZY Computingの齊藤元章 代表取締役社長は2016年7月7日、東京都内で開催している「IT Japan 2016」(日経BP社主催)で「人工知能による新産業革命と、次世代スパコンによる社会的特異点の創出に向けて」と題して講演した。齊藤氏は、次世代のAI(人工知能)が次世代のスーパーコンピュータ(スパコン)と連携することで科学技術基盤が創出され、「エネルギー、食料、人口、医療といった問題が解決できる」と期待を話した。 齊藤氏は、液浸冷却を開発するExaScalerの創業者・代表取締役会長、積層メモリーを開発するUltraMemory創業者・会長を兼務している。3社からなるPEZYグループは、スパコンの省エネルギー性能ランキング「Green500」で1位を3度取得している。PEZYグループは、新たに現在の1000倍程度高速なAIエンジンの研究を始めて
2016年6月8日に理化学研究所(理研)で、「スーパーコンピュータHOKUSAIとShoubu、研究の最前線」と題するシンポジウムが行われ、PEZY/ExaScalerの齊藤社長が基調講演を行った。その中で、菖蒲(Shoubu)スパコンは、2015年11月には部分的な稼働で605.6TFlopsで135位であったが、ノイズを低減した新パッケージのPEZY SC-npチップに交換するなどのアップグレードを行い、今回は全系を動かし、LINPACK性能で1PFlopsを超えたことを明らかにした。 2015年11月のTop500では、理研の情報基盤センターのメインスパコン(スーパーコンピュータ)である「Hokusai Great Wave」は989.6TFlopsであったので、Hokusaiの性能が前回と同じであるとすれば、Top500的にはShoubuの方が上回ることになる。もちろん、Top50
2016年6月8日に理化学研究所(理研)で、「スーパーコンピュータHOKUSAIとShoubu、研究の最前線」と題するシンポジウムが行われ、PEZYの石川仁氏が「量子アニーリングアルゴリズムの並列化」と題して発表を行った。 最適化問題の解を見つけるのに、アニールプロセスをコンピュータでシミュレートする「Simulated Annealing(SA:シミュレーテッドアニーリング)」は標準的な手法であるが、複雑なコスト関数の場合は、ローカルミニマムに陥ってしまい、全体的な最適解が得られないということも起こる。これに対して量子アニーリングはトンネル効果でコスト関数のバリアを通り抜けることができるので、収束性が良い。 D-Waveの量子コンピュータは、超低温の超電導状態で量子ビットを作り物理的な量子アニーリングを行っているが、PEZYのプログラムは、量子ビットの振舞いをモンテカルロ法を使ってシミュ
2016年5月18日に開催された「第1回全脳アーキテクチャシンポジウム」においてPEZY Computingの齊藤社長が、「Deep Insights(ディープインサイツ)」という会社を新たに設立し、現状の1000倍の性能を持つ人工知能エンジンの開発に乗り出すことを明らかにした。 同シンポジウムを主催する「全脳アーキテクチャ・イニシアティブ(The Whole Brain Architecture Initiative:WBAI)」は、人間の脳に学び、脳を超える汎用人工知能を構築しようというイニシアティブで、ドワンゴの人工知能研究所所長の山川宏氏が代表、東京大学(東大)の松尾豊 准教授と理化学研究所(理研)の生命システム研究センターの高橋恒一氏が副代表を務める。PEZY Computingは、このWBAIの創設賛助会員になっている。 以前、「ExaFlops一番乗りを狙う - PEZYグル
HPC(High Performance Computing)関連技術を開発するPEZYグループは、2016年6月に新会社のDeep Insights(ディープインサイツ)を立ち上げ、人工知能(AI)向けの専用チップを開発する。同グループを率いる齊藤元章氏が、特定非営利活動法人の全脳アーキテクチャ・イニシアティブが2016年5月18日に開催した「第1回 全脳アーキテクチャシンポジウム」の講演で明らかにした。「今後2年以内に、1000倍高速な新しい人工知能エンジンの提供開始を予定」(齊藤氏)するという(図1、図2)。米国時間の同日、米Google社が専用チップの開発を公表するなど、人工知能用の専用チップ開発がにわかに盛り上がってきた。
2015年6月のGreen500で1~3位を独占した理研のスーパーコンピュータ(スパコン)「菖蒲」、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の「青睡蓮」と「睡蓮」を開発したPEZY Computingの齊藤社長は、「エクサスケールの衝撃(PHP研究所)」と題する本を出している。進歩は加速しており、爆発的な発展が起こる特異点が来ると説くRay Kurtzweilの説のスパコン版という本であり、齊藤社長は、エクサスケールのスパコンの登場が社会全体を大きく変える特異点になるという。この本を読むと、エクサスケールのスパコンの開発に賭ける齊藤社長の意気込みを感じ取ることができる。 その齊藤社長にインタビューを行い、最近の開発状況と、エクサスケールのスパコンへとつながる開発戦略を伺った。なお、PEZY ComputingはスパコンのエンジンとなるメニーコアのPEZY-SCチップの開発を行い、それを液浸の冷
僕のTwitterをご覧になっている方はご存知かもしれませんが、ワケあって、前職を辞めて、今年の九月から株式会社PEZY Computingで働いております。 どういう会社なのかよく知らない人も多いと思いますので、簡単に説明しますと、超メニーコアのプロセッサを作っていて、それを搭載するボードとか、それを液浸冷却するシステムとかを作る関連会社があったりして、スパコンとして仕立て上げたりしているような、そんな会社です。なんか積層メモリ作ってる関連会社もあるみたいです。えっ、そんな会社が日本にあるの?って思われるかもしれませんが、実在している会社ですし、実際にモノもできているからたぶん本当にあります。 僕がPEZYのことを初めて知ったのはちょうど去年の今頃の、「いろいろ」あってつらい状況にあるときでした。その時に@nushioさんがすごく心配してくれて、誕生日やらなにやらを祝ってくれたりしたので
現在 PEZY Computing ではハードウェアエンジニアの新しい職種を募集しているらしいです。 http://pezy.co.jp/career/index.html 詳しくはこちら。 先日社長から前回のブログ記事が反響がすごかったよ、みたいなことを言われて、えっ、このブログばれてるの!?ということで僕がごちうさファンであることも無事理解していただいたようです。なんかハードウェアエンジニアの求人ページの職種増やしたから、宣伝しといて、ということなので、宣伝させていただきます。ところで、求人ページが縦に長くなった影響で、レイアウトが崩れていませんか。 まあなんでしょう。入って数か月の僕には、この会社はこうです!みたいな宣伝やら、そういうのはうまくできないのですが、三大「プログラミングをやっているなら、いつかは作りたいもの」であるところの、CPU、OS、コンパイラのうち二つを作れる会社は
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