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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (6)

  • 数千年におよぶ進化と文明の発展を重ねた蜘蛛と人類の邂逅が描かれる、進化のダイナミズムが詰め込まれたSF長篇──『時の子供たち』 - 基本読書

    時の子供たち (上) (竹書房文庫 ち 1-1) 作者:エイドリアン・チャイコフスキー竹書房Amazonこの『時の子供たち』は、イギリスの作家エイドリアン・チャイコフスキーのSF長篇である。刊行は2015年で、2016年にアーサー・C・クラーク賞を受賞している。 それ以上の情報は何も持たず、刊行年的には少し古いこともあって期待するわけでもなく読み始めたのだけれども、いやはやこれには驚かされた。テラフォーミング先の惑星で、人類がばらまいたウイルスにより知性を獲得した蜘蛛の数千年に渡る世代交代史・進化の過程。そして、地球を脱出し第二の故郷を求めさまよう人類という二つの視点から物語は描き出されていく。テラフォーミング、独自に進化した蜘蛛、地球を失った人類、「異質なものとの遭遇」など、要素だけみるとクラシックなSFとも言えるのだが、蜘蛛視点の世界の書き込みが凄く、特異な読み味を感じさせる。 蜘蛛は

    数千年におよぶ進化と文明の発展を重ねた蜘蛛と人類の邂逅が描かれる、進化のダイナミズムが詰め込まれたSF長篇──『時の子供たち』 - 基本読書
    yuki_furu
    yuki_furu 2021/07/28
    蜘蛛が文明を発展させる…というところから、ヴァーナー・ヴィンジの『最果ての銀河船団』を連想した。
  • その能力は、どのような物理法則に則って/あるいは反しているのか? まできっちり詰めてくれる能力バトル/ミステリィ──『君待秋ラは透きとおる』 - 基本読書

    君待秋ラは透きとおる 作者: 詠坂雄二出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2019/06/01メディア: 単行この商品を含むブログを見るどうやら能力バトル物らしい、というだけでそれ以外の情報を何も仕入れずにこの『君待秋ラは透きとおる』に手を出してみたが、これがたいへんにおもしろい。著者はミステリィの著作を多く持つ詠坂雄二。作も主軸としては能力──作においては「匿技」──を持つ人々がいる”社会”と、匿技士たちの関係性、時にその戦いを描きながら、同時に鮮やかな能力ミステリィとしてオトしてみせる。 匿技士たちはみな、透明になるとか鉄筋を生み出すとか、固有の能力を持っている。書は、そうした匿技がどのような物理法則にのっとって、あるいは物理法則に則っていないとしたらどの部分がそうなのか? といった科学的な検証をきちっと詰めていってくれる能力バトル物であり、その戦闘のロジカルな展開や

    その能力は、どのような物理法則に則って/あるいは反しているのか? まできっちり詰めてくれる能力バトル/ミステリィ──『君待秋ラは透きとおる』 - 基本読書
    yuki_furu
    yuki_furu 2019/06/16
  • ”神のお告げ”を聴く分隊長──『接続戦闘分隊: 暗闇のパトロール』 - 基本読書

    接続戦闘分隊: 暗闇のパトロール (ハヤカワ文庫SF)リンダ ナガタ 早川書房 2018-09-05 AmazonKindle 書は『極微機械ボーア・メイカー』や『幻惑の極微機械』などで知られるリンダ・ナガタによるミリタリーSFである。ミリタリーSFというと有名ドコロの作家はほぼ男性で、それも元軍人も多い領域ではあるが、リンダ・ナガタは女性であり、軍経験もない。そのため元々は電子書籍の自己出版としての刊行だったようだが、きちんと評価され、紙でも出版され、こうやって海を超えてきたというわけである。 で、実際これが読んでみるとなかなかおもしろい。近未来の戦争テクノロジー描写の書き込みが緻密なのもいいし、主人公は戦争に巻き込まれ、英雄としての活躍を成し遂げていくのだけれども、常にその裏ではさらに大きな陰謀が渦巻いており、戦争の背後にあるものを探求していく、せざるをえないという点で王道的なミリ

    ”神のお告げ”を聴く分隊長──『接続戦闘分隊: 暗闇のパトロール』 - 基本読書
    yuki_furu
    yuki_furu 2018/09/06
  • 自分が何を知らないのかを知ることの重要性『知ってるつもり――無知の科学』 - 基本読書

    知ってるつもり 無知の科学 (早川書房) 作者:スティーブン スローマン,フィリップ ファーンバック早川書房Amazon「何かを知っている」と言い切るのは、言葉の定義にもよるだろうが、なかなか難しい話だ。たとえば僕は電子レンジがマイクロ波を照射して水分子を振動させることで温度を上げる機械であることを知っているが、そのより詳しいメカニズムはよく知らないし、ましてや自分で部品から電子レンジをつくりあげることなんかできない。 自分を基準にしてしまって申し訳ないが大抵の人が電子レンジについて知っているのはこの程度のものだろう。人間はけっこう賢いし物知りだが、かといって一人で電子レンジを作り上げられるほど、たった1つのモノのすべての側面に精通するほど知ってはいない。書はそうした”人間の無知”についてのである。われわれはいったいどれほど無知なのか。われわれ無知で愚かな人間はどのように物を考え、どう

    自分が何を知らないのかを知ることの重要性『知ってるつもり――無知の科学』 - 基本読書
    yuki_furu
    yuki_furu 2018/04/16
  • 転生したら人工知能にさせられ、有無を言わせず居住可能惑星探査に送り出された件──『われらはレギオン1 AI探査機集合体』 - 基本読書

    われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF) 作者: デニス・E・テイラー,EVILVIT,金子浩出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/04/04メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るSF大会に欠かさず参加し誰かれ構わずSFネタを喋り散らすクソSFオタクであるボブは、無神論者で、人体冷凍保存会社(死亡した直後に頭部のみを切断し、未来の技術が生き返らせられるようになるまで保存しておく会社。ちなみに実在する。)と契約するような人間だが、そんな彼がある日突然の交通事故で死んでしまう──。 意識を取り戻した彼がいるのは、なんと117年後のキリスト教原理主義国家となったアメリカ。そのうえ彼は生身の身体を持たない複製人(レプリカント)*1となっていた! 国家の所有物となった彼に与えられた任務は居住可能惑星探査! 自己増殖する自動恒星間探査機に知的機能の制御係とし

    転生したら人工知能にさせられ、有無を言わせず居住可能惑星探査に送り出された件──『われらはレギオン1 AI探査機集合体』 - 基本読書
    yuki_furu
    yuki_furu 2018/04/08
  • なぜ、地球に巨大人型ロボットが埋められていたのか?──『巨神計画』 - 基本読書

    巨神計画〈上〉 (創元SF文庫) 作者: シルヴァン・ヌーヴェル,加藤直之,渡邊利道,佐田千織出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/05/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る巨神計画〈下〉 (創元SF文庫) 作者: シルヴァン・ヌーヴェル,加藤直之,渡邊利道,佐田千織出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/05/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るある時、アメリカで全長約6.9メートルの巨大な手と、謎の記号が記されたパネルが発見される。16枚からなるパネルは、縱橫の長さは3メートル×9.8メートル。それらは、放射線炭素年代測定によると3000年前に作られた物だと考えられる。 そのうえ"手"はイリジウムという特別密度が高く、地球ではほとんど手に入らない(年間の採掘量はわずか4トンしかないレアメタル)珍しい金属で構成されている。

    なぜ、地球に巨大人型ロボットが埋められていたのか?──『巨神計画』 - 基本読書
    yuki_furu
    yuki_furu 2017/05/20
    読んだ。インタビュー形式をとったのは上手いと思う。ほんとに「早く第二部読ませろよ!」という終わり方なので、我慢できなそうな人は邦訳が完結するまで待ったほうがいいかも。
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