2014年はウクライナの歴史において激動の一年でした。2014年2月22日にウクライナ最高議会はヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領の解任決議案を可決し、翌23日にオレクサンドル・トゥルチノフが大統領代行に選出し、新大統領が決まるまでの体制を整えました。 ウクライナ国民の間では、ヤヌコヴィッチ政権が推進した対ロシア関係の強化と欧州連合(EU)との連携の見直しの是非をめぐって以前から意見が分かれていました。そのため、このような経緯で成立した新体制を支持すべきか否かをめぐって政治的論争が繰り広げられていました。ただ、2014年の政治状況がそれまでと大きく異なっていたのは、この体制変動が契機となって、ウクライナの領土と主権が危険に晒されたことが挙げられます。 2月26日、ロシアはウクライナのクリミア半島に対して武力の行使に踏み切り、軍事的占領を開始しました。トゥルチノフは武力でクリミア半島を取り戻そ