【台北=村上太輝夫】台湾軍の現役陸軍少将が機密情報を中国に漏らしていたとして、軍検察が勾留、取り調べていることが明らかになった。少将は通信関連を担当する要職に就いており、安全保障の根幹を揺るがすとの懸念が広がっている。将官級による機密漏洩(ろうえい)の発覚は、国民党政権が台湾に移った直後の1950年ごろ以来という。 勾留されているのは陸軍司令部所属の羅賢哲少将。9日に記者会見した台湾国防部総政治作戦局の王明我・局長代行によると、タイ駐在時の2004年に中国側と関係が生じた。05年に台湾に戻ったが、その後も海外出張の機会は多く、そのたびに中国側の人物と接触し、情報を渡していたとみられている。 台湾各紙によると羅少将は、米クリントン政権時に売却が決まった、陸海空を統合した作戦指揮のための高度情報通信システム「博勝」にかかわっていた。有事には米軍側と接続可能とされるこのシステムの情報が漏れた