タグ

ブックマーク / honz.jp (32)

  • 『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち - HONZ

    具体的な数字やデータを示してもダメ。明晰な論理で説いてもムダ。そんなとき、あなたはきっとこう思ってしまうのではないか。「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」。 実際問題、日々の生活でそんな思いを抱いてしまう場面は少なくないだろう。失敗例がすでにいくつもあるのに、それでもまだ無理筋を通そうとする社内のプレゼンター。子育てのあり方をめぐって、何を言っても聞く耳を持ってくれないパートナーなど。また不思議なことに、たとえ高学歴の人であっても、「事実に説得されない」という点ではどうやらほかの人と変わらないようだ。 さて書は、冒頭の問いを切り口としながら、人が他人に対して及ぼす「影響力」について考えようとするものである。心理学と神経科学の知見を織り交ぜつつ、著者は早々に厳しい診断を下す。 多くの人が「こうすれば他人の考えや行動を変えることができる」と信じている方法が、実は間違っていた…。 数字や統

    『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち - HONZ
    Cujo
    Cujo 2019/09/03
    みるのうりょくとにんしきするのうりょくはびみょうにことなる。
  • 『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ

    一般に、は読めば読むほど物知りになれると思われがちだが、実際は逆だ。読めば読むほど、世の中はこんなにも知らないことであふれているのかと思い知らされる。その繰り返しが読書だ。 「ディアトロフ峠事件」をぼくはまったく知らなかった。これは冷戦下のソヴィエトで起きた未解決事件である。 1959年1月23日、ウラル工科大学の学生とOBら9名のグループが、ウラル山脈北部の山に登るため、エカテリンブルク(ソ連時代はスヴェルドロフスク)を出発した。 男性7名、女性2名からなるグループは、全員が長距離スキーや登山の経験者で、トレッキング第二級の資格を持っていた。彼らは当時のソ連でトレッカーの最高資格となる第三級を獲得するために、困難なルートを選んでいた。資格認定の条件は過酷なものだったが、第三級を得られれば「スポーツ・マスター」として人を指導することができる。彼らはこの資格がどうしても欲しかったのだ。 事

    『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ
  • 『朝、目覚めると、戦争が始まっていました』 未来を知らない十二月八日の言葉 - HONZ

    意表を突かれた。企画も内容も構成も、見事という他ないだ。毎年、終戦の日にむけて様々なが出版されるが、とりわけ異彩を放つである。書を手にしてはじめて私は、「開戦を人々がどう受け止めたのか」という個々の情報が、ごっそり抜けおちていたことに気づいた。 ものすごく解放感がありました。パーッと天地が開けたほどの解放感でした。 (書11頁、吉隆明、原典:三交社『吉隆明が語る戦後55年・5』) 僕の命も捧げねばならぬ。一歩たりとも、敵をわが国土に入れてはならぬ。 (書45頁、坂口安吾、原典:筑摩書房「真珠」『坂口安吾全集03』) 書は、太平洋戦争勃発時の知識人・著名人の反応を日記や回想録から抜き出した、アンソロジーである。さぞかし重苦しい空気なのかと思いきや、むしろその逆だった。戦争を歓迎する言葉が多いのである。知識人にして、そうなのだ。「一般人は?」と考えずにはいられなかった。 その

    『朝、目覚めると、戦争が始まっていました』 未来を知らない十二月八日の言葉 - HONZ
  • ふたりの技術者の邂逅が巨大組織を動かした『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』 - HONZ

    ひと言で言えば、彼らには事故を起こした当事者という意識がないんですよ。乗客の安全を誰が守るのかという自覚がない。ただ自分たちの組織と権益を守りたいから、外部に責任転嫁を図ったり、運転士個人のミスとして処理しようとする。上から下までそういう組織になってしまっているんでしょう。だから、幹部連中が入れ替わり立ち替わりうちに来て、いくら謝罪の言葉を並べ立てても一つも響かない。当に申し訳ないことをしたという人間的感情も、これからは絶対に安全最優先に努めるという意思も伝わってこない 2005年4月25日、死者107名・負傷者562名を出したJR西日・福知山線の脱線事故。その事故でを亡くし娘が瀕死の重傷を負った淺野弥三一の言葉である。「どうやって事故直後の数日間を乗り切れたかのかわからない」、「火山の噴火口に取り残された気分だった」、「当時の心境をひと言で言えば……自暴自棄、やろうね」と振り返る「

    ふたりの技術者の邂逅が巨大組織を動かした『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』 - HONZ
  • 『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か - HONZ

    書、表紙が素敵なのだ。 裸の成人女性からうまい具合に乳首を隠したイラスト、線画の描写ゆえ生々しさはなく90年代に流行ったオシャレ系マンガの表紙のようである。 とは言えハダカはハダカ、サラリーマンばかりの通勤電車で読むのは平気だった私もさすがに目の前に小学生男子が立っている中では書の続きを読むのをためらった。 こんな風に感じるのは何も私だけではないだろう。そもそもたとえ乳首が隠されていたとしても裸の成人女性が描かれた表紙を人前で出すこと自体やりたくないという人も多いはずだ。(うん、屋さんでカバーかけて貰えるのってとっても大事かも)。 この「通勤電車ならいいや」と「でも小学生男子には刺激が…」の線引きをしている私の気持ちは一体どこから生じているのだろうか。 えっちなのは、いけません! 我々(少なくとも私は)はそう刷り込まれている。だから、公共の場でえっちなイラストの表紙のを出すのがため

    『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か - HONZ
  • 『アルカイダから古文書を守った図書館員』 - HONZ

    2013年1月、アルジェリア東部の天然ガス精製プラントで、日人を含む大勢の外国人がイスラム過激派に拘束される事件が起きた。アルジェリア軍と過激派の交戦により結果的に少なくとも37人の外国人が死亡し、内10人はプラント大手「日揮」社員などの日人だった。このニュースが駆けめぐったときの衝撃は、今も記憶に新しい。 では、このとき犯行グループが何を要求していたかを知っているだろうか。そのひとつは、隣国のマリで進行中のフランスによる軍事介入を停止することだった。なぜマリ? そう首をひねる人もいるかもしれない。だがアルジェリアの事件の首謀者は、その軍事介入と浅からぬ因縁があった。そして軍事介入の背景には、1年近くにわたったアルカイダによるマリ北部の支配があり、その陰には危機を受けて敢然と立ち上がったひとりの男がいた。この知られざるドラマ

    『アルカイダから古文書を守った図書館員』 - HONZ
  • 『そろそろ、人工知能の真実を話そう』シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの - HONZ

    『そろそろ、人工知能の真実を話そう』シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの解説 by 西垣 通 2010年代後半に入って、AI(人工知能)ブームの過熱ぶりは凄まじい。とりわけ、 その中核にあるシンギュラリティ(技術的特異点)仮説は、現代のグロテスクな神話と言ってもよいだろう。書『そろそろ、人工知能の真実を話そう』(原題は Le mythe de la Singularité、 2017)は、シンギュラリティが実際に到来するかどうかを冷静に見極めるだけでなく、 その背後にある文化的・宗教的なダイナミックスを、「仮像(pseudomorphose)」という概念にもとづいて容赦なくえぐり出してみせる。きびしい警告の書物である。 だが、著者は決してAI技術自体を否定しているのではない。むしろ、来のAI技術が、 シンギュラリティという怪しげな神

    『そろそろ、人工知能の真実を話そう』シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの - HONZ
  • 『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 創造的能力の副産物としての記憶違い - HONZ

    記憶がえてして頼りないものであることは、いまではよく知られている。その象徴的かつ重大な例としてすぐに思い浮かぶのは、記憶違いにもとづく冤罪事件だろう。国際的な非営利団体の報告によると、2015年にDNA鑑定によって受刑者の無実が証明された事件は325件あった。そしてそのうち、じつに235件もの事件で目撃者の誤認が関わっていたというのである。 記憶違いの問題はけっして他人事ではない。と行った初デートの場所を間違って記憶していたこと、あるいは、他人のやった仕事を自分がやったかのように勘違いしていたこと、そのような経験に誰しも思い当たるふしがあるのではないだろうか。しかしそれならば、わたしたちの記憶はどうしてそのように頼りないのか。また、記憶がときとして大きく歪められてしまうのは、いったいどうしてなのだろうか。 書は、そのような問題にイギリスの若手研究者が迫ったものである。著者のジュリア・シ

    『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 創造的能力の副産物としての記憶違い - HONZ
  • 『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』ブルマー教授が出来るまで - HONZ

    『ブルマーの謎』は、最近ではすっかり見ることもなくなった女子体操服の「ぴったりブルマー(密着型ブルマー)」をテーマにした一冊である。長年研究を続けた社会学者が手掛けており、ブルマー研究の決定版とも言える内容だ。しかしこの画期的な研究が始まったのも、ゼミ生たちとの苦し紛れのやり取りから生まれた「偶然の産物」であったという。当時、山ゼミに所属していた小松聰子さんに、ブルマー教授誕生までの秘話を寄稿いただいた。(HONZ編集部) 今、私の中では嫉妬の炎が燃えまくっている 。そう、我らがブルマー教授こと山先生がとうとうブルマーを出されたのだ。これが身悶えずにいられようか。 なぜ、私がこんなにもムズムズとしているのか、それを説明するためには15年以上も前に時計の針を戻さなくてはならない。私は書の著者、山雄二教授のゼミに所属する大学3回生であった。卒業グループ研究のテーマを決める打ち合わせの

    『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』ブルマー教授が出来るまで - HONZ
  • 史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』 - HONZ

    君は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(Dungeons & Dragons :以下D&D)を知っているか。 D&Dは紙と鉛筆とサイコロ、世界観や数値が記載されたルールブック、それに自身の想像力/対話を駆使して複数人で行うテーブルトークアールピージー(以下TRPG)である。1974年に発売された作は世界中で流行し、プレイヤーが冒険者になりきってファンタジー世界を探索する世界初のロールプレイングゲームと呼ばれる。数えきれないほど多くのクリエイターが作から受けた影響を表明しており、TRPGをやったことがなくともD&Dの名は知っている人も多いだろう。 ゲイリー・ガイギャックスはこのD&Dを生み出した人物であり、書はそんな偉大な男の伝記である。これがもう、めちゃくちゃおもしろい。その人生は波乱万丈。幼少期からゲームにのめり込んで高校は中退、仕事ゲームをやっていてクビになる。独創的なゲーム・アイデ

    史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』 - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    シリアスとギャグのバランスが絶妙な『銀魂』面白さと入りやすさはど... 2018年09月27日 ギャグが好きな人、思いっきり笑いたい人は、シリアス長編エピソードの間に挟まれるギャグ編がオススメ。私は読者投票によるキャラクターランキングの結果発表後、ランキング結果を変えようとするキャラクター...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
  • 『モンスターマザー』長野・丸子実業「いじめ自殺事件」、加害者と被害者が入れ替わるまでの全て - HONZ

    一晩で一気に読み終えたのだが、背中からは嫌な汗が流れていた。とても、他人事ではいられない。こんなことが起こりうるなら、普通に暮らしている人がある日突然、殺人犯に仕立てられても、全然不思議ではないだろう。自分の中で想定していた、世の中に対する前提条件が、もろくも崩れ去っていくような印象すら受けた。 「丸子実業高校バレーボール部員自殺事件」は、2005年にバレー部に所属していた同校1年生の高山裕太君が自殺した事件である。当初、運動部内でのいじめを苦にしていたことが原因とされており、母親はむせび泣きながら学校の対応不備を訴え、その後、母親側の代理人が校長を殺人罪で告訴するまでに至った。 しかし実態は、まるで違ったのである。2008年に長野地裁が下した判決では自殺の要因がいじめであったと認定されず、逆にバレー部から母親側への「精神的苦痛」に対する提訴については全面的に認める判決が下された。 書は

    『モンスターマザー』長野・丸子実業「いじめ自殺事件」、加害者と被害者が入れ替わるまでの全て - HONZ
  • 『メソポタミアとインダスのあいだ 知られざる海洋の古代文明』 - HONZ

    僕が歴史を好きになったのは、間違いなく中央公論社の「世界の歴史(旧版、16巻+別巻)」を読んだことがきっかけだった。世界最古の文明、シュメールから始まる悠久の物語に中学生の胸が高鳴ったことをよく覚えている。書は、農産物こそ豊富だったが木材、石材、金属などの必要物資に欠けていたメソポタミアになぜ世界最古の文明が誕生したのか、その秘密を交易ネットワークから解き明かした野心作である。 「四大文明」は「御三家」や「七福神」のようなもので教育者による思いつきに過ぎない、との挑戦的なゴングが鳴る。過去の研究の多くは、古代文明の起源を、灌漑農耕による生産性の飛躍的な向上、余剰の蓄積、労働力の集中と社会的・政治的ヒエラルキーの確立などの面から説明してきたが、何ゆえ文明がこの地に興らざるを得なかったのかという必然性を説明していない、と著者は指摘する。 そして交易を生業とした非農耕文明に目を向ける。メソポタ

    『メソポタミアとインダスのあいだ 知られざる海洋の古代文明』 - HONZ
  • 『数学する身体』僕が身体で感じていたことは、嘘でも無駄でも無かったんだ - HONZ

    発売されるやいなや大きな反響を呼んでいる、『数学する身体』。お待ちかねの客員レビュー第三弾は、はてな株式会社の近藤淳也さんが登場。「数学は情緒だ」という独立研究者・森田真生の言葉を聞いた時、近藤さんが直感的に感じたものとは何だったのか? (HONZ編集部) ※客員レビュー第一弾、第二弾 森田くんが初めて書いた。「数学する身体」。 わざわざ「を届けたいので」と、会社の近くまで足を運んでくれて、ランチを共にしながら渡してくれた。 構想ができてから書き上げるのに4年かかったという。 もともと、文章を書くときにはとんでもなく集中して、丁寧に言葉を積み上げて、何度も何度も読んで味わえるような、スルメみたいな精緻な文章を書く森田くんが、初めて1冊のを書いた、という。 もうそれだけで、読む前から、これはすごいだ、ということは分かっていた。 すごいというのは、とにかく、中身云々の前に、通常で

    『数学する身体』僕が身体で感じていたことは、嘘でも無駄でも無かったんだ - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『腸よ鼻よ』10指腸 2018年09月22日 澄み渡る青い空と透き通るような海、白い砂浜のある南の島――沖縄。 この島に生まれ、蝶よ花よと育てられた1人の少女がいた。 彼女の名は島袋全優。 漫画家を志し、いずれは大都会東京での タワーマ...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
  • 『ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか』 - HONZ

    質問.地球にいるすべての人間ができる限りくっつきあって立ってジャンプし、全員同時に地面に降りたら、どんなことが起こりますか? ──トマス・ベネット(ほか大勢のみなさん) 答.これは、私のウェブサイトに大勢の読者から投稿される質問のなかでも、最も頻繁に来るもののひとつだ。〈ScienceBlogs〉や〈The StraightDope〉など、よそのサイトでもすでに検討されている。それらのサイトでは、運動学的側面についてはかなり詳細に論じているが、見過ごされている点もある。 では、題に入ろう。 この質問の出発点では、地球のすべての人間が、何らかの摩訶不思議な方法で1カ所に集められている。 この一団は、ロードアイランド州くらいの広さの場所を占める。だが、「ロードアイランド州くらいの広さの場所」などという曖昧な言葉を使う必要もないだろう。ここでは具体的な話として進めていこう。彼らは実際にロードア

    『ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか』 - HONZ
    Cujo
    Cujo 2015/07/03
    本題と関係ないほうが長い。。。。
  • 『ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか』 - HONZ

    「すべての人間が一カ所に集まってジャンプしたらどうなるか?」など、ふと気になっても、「いや、そんなことはありえない」と、うっちゃってしまうような疑問や、「周期表を現物の元素で作ったらどうなるか?」など、突拍子もない疑問に、科学と数学と、シンプルな線画のマンガを使って答えるアメリカでは、サイエンス系のとしては破格の大ヒットで、ニューヨークタイムズのベストセラー・リストに34週連続で載った。 著者のランドール・マンローは、大学で物理学を学んだあとNASAでロボット工学者 として働いた人物。現在はフルタイムのウェブ漫画家で、「恋愛と皮肉、数学と言語の ウェブコミック」、xkcdというサイトを運営している。そこから派生した読者投稿サイト、xkcd What If が書のベースだ。マンローは投稿される疑問に、数学と科学、そして「ユーモア力」を駆使して、あっと驚くような答えを出す。その過程で、

    『ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか』 - HONZ
  • 『ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか』 - HONZ

    質問. 光速の90パーセントの速さで投げられた野球のボールを打とうとしたら、どんなことが起こりますか? ──エレン・マクマニス どうやってそんなスピードの球を投げるかという問題はわきに置いておくことにしよう。ピッチャーは普通にボールを投げるとし、ピッチャーの手から離れた瞬間、ボールは何か摩訶不思議な手段で0.9c(cは光速度)まで加速するものとしよう。それ以降は、すべては普通の物理学にしたがって進む。 答.結論からすると、「いろいろなこと」が起こるというのが答だ。そして、すべては極めて短時間に起こり、バッターには(そしてピッチャーにも)気の毒な結果になる。この質問に取り組むに当たり私は、物理の数冊、名投手ノーラン・ライアンのアクションフィギュア1体、核実験の動画多数を準備し、すべてを明らかにしようとがんばった。ここに、1ナノ秒ごとに何が起こるかを検討して、私が推

    『ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか』 - HONZ
  • 『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』文明再起動マニュアル - HONZ

    先週末30年ぶりにシリーズ続編として公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は突き抜けて凄まじい、破壊的なエンターテイメントだった。崩壊した地球文明の後に残った脳筋の男共が滅茶苦茶に改造されもはや原形が何だったのかさっぱりわからない車とバイクに跨り、何故か火を吹くギターを持って、裏切り者の女共を追いかけ上映時間の殆どをカーチェイスに費やす。走れども走れども砂漠以外何も見えない、荒廃した大地。資源は限られ少ない物資をヒャッハー!! と、暴力によって奪い合う、力こそ正義! な地獄絵図な世界が広がっている。 しかし、仮に核戦争なり宇宙人の侵略なり異常気象なり隕石の衝突なり、原因をどこに求めるにせよ、文明がいったん崩壊してしまったとしたら、当にそんな破滅的な状況になるのだろうか? 失われてしまった文明はもはや戻らないのか? 逆に復興できるとしたら、どうやって? 書は書名である『この世界

    『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』文明再起動マニュアル - HONZ
    Cujo
    Cujo 2015/06/25
    CIVもそこまではフォローしてないからなぁ。。(もしかしたらMODであったりするのかな?)
  • 『ナポレオンに背いた「黒い将軍」』革命に咲いた黒い薔薇 - HONZ

    18世紀、有色人種とりわけ黒人がその肌の色のみで差別され、奴隷として働かされていた時代に、ヨーロッパで一兵卒から将軍にまで上り詰めた有色人の男がいた。180センチを超える体躯(当時としてはかなり大きい)とハンサムな容貌の持ち主であったという。そして、その美しい肉体の中には常人では及ぶことの出来ない勇敢さと情熱を、また公正で高潔な精神を宿していた。男は自らをアレックス・デュマと名乗っていた。名はトマ=アレクサンドル・ダビィ・ド・ラ・パイユトリ-という。 彼はフランス人貴族と黒人奴隷の女性との間にできたムラートであった。自由、平等、友愛を謳うフランス革命に共感し革命の擁護者として、その軍事的才能を発揮し敵であるオーストリア兵からは「黒い悪魔」として恐れられた。 デュマは人種的差別が公然と行われていたヨーロッパで白人将兵の指揮をとり、彼らから信頼と尊敬の念を勝ち取っていた。祖国フランスが、肌の

    『ナポレオンに背いた「黒い将軍」』革命に咲いた黒い薔薇 - HONZ