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平日は残業や友人との付き合いなどで帰宅が遅く、毎日眠い目をこすって仕事をこなし、休日はほとんど寝て過ごして終わってしまう……。そんな生活を送るdoors読者も少なくないのではないでしょうか。睡眠医学発祥の地である米国スタンフォード大学の睡眠医学センターで臨床と研究を続ける河合真先生は、「日本人は慢性的な睡眠時間不足」と危機感を抱き、SNSで「寝よう!」と呼びかけています。第2回は「睡眠不足について知っておくべきリテラシー」についてです。 「睡眠は長さより質」は大間違い 皆さん、こんにちは。河合真です。 連載第1回(「とにかく『8時間寝る』に勝る睡眠法はない」)では、日本人の多くが睡眠不足だというお話をしました。ここでいう睡眠不足とは「睡眠時間不足」のことを意味します。というのは、睡眠時間が足りないという話をすると、必ずといっていいほど出てくる反論が「睡眠は長さよりも質が大事なのでは」という
【寄稿】 低栄養評価ツール GLIM基準を心不全診療に生かす 木田 圭亮(聖マリアンナ医科大学薬理学准教授) これまでの循環器領域の栄養管理と言えば,高血圧,糖尿病,脂質異常症,肥満など,生活習慣病の改善やメタボリック症候群に対する栄養管理,つまり「痩せるための栄養管理」が二次予防の観点から求められ,カロリーや塩分を制限する栄養指導がなされてきた。 一方で,心不全は低栄養,サルコペニア,心臓悪液質など,「痩せ」が予後不良であることが知られており,obesity paradoxと呼ばれている。そのため,心不全では「いかに太るか」が課題であり,太るための栄養指導へ向けたパラダイムシフトが重要である。 心不全診療における栄養分野のエビデンス構築を これまで心不全領域では,心臓リハビリテーションとしての運動療法が注目を浴び,多くのエビデンスが蓄積されてきたものの,栄養分野のエビデンス構築はまだ
非がん性呼吸器疾患患者は、増悪と回復を繰り返しながら緩徐に終末期へ向かう。しかしその経過は慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎など疾患の種類により異なる上、個人差も大きく1回の増悪で回復に至らず死亡する例もある。そのため、終末期における治療やケアに関する画一的な方針を定めるのは難しく、緩和ケアが普及しにくい。霧ヶ丘つだ病院(北九州市)理事長・院長の津田徹氏は第29回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会(2019年11月11~12日)で、非がん性呼吸器疾患患者に対する緩和ケアを普及させるため地域医療連携を強化する必要性を訴えた。
※本来複数の製薬企業から同一成分の薬が発売されている際の表記では、成分名のエチゾラムを使うのが一般的である。しかし、服用患者も含め世間一般では簡単に覚えやすい「デパス」でその名が広く知られていることが多い。このため以後はエチゾラムではなく「デパス(エチゾラム)」と表記することをあらかじめお断りしておく。 依存患者に接触 デパス(エチゾラム)を服用し、依存にまで至った患者はどのようになるのか? 調査報道チームは今回、さまざまなルートを使って服用患者に接しようとしたものの、当初はなかなかうまくいかなかった。連載第1回「合法的な薬物依存「デパス」の何とも複雑な事情」(2019年11月29日配信)で国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長の松本俊彦氏が指摘していたように常用量依存は実態が見えず、服用患者には必ずしも「依存」との自覚があるわけではない。 また、精神疾患領域に精通
がんがあっても異常値が出ないという大きな欠点 がんに関わる検査の中で、「腫瘍マーカー」ほど、その目的を誤解している人が多いものはないと思います。 私が外来診療をしていてよく患者さんから言われるのが、「がんかどうかを調べてほしいので腫瘍マーカーを検査してください」というセリフです。 患者さんの発想は、「腫瘍マーカーが高いとがんの可能性がある。低ければがんではないと考えて安心できる」というものでしょう。しかし、残念ながら腫瘍マーカーを「がん早期発見のためのツール」として使うことは、一般的には不可能です。 ここであらためて、「腫瘍マーカーとは何か」ということに関して簡単に解説します。 腫瘍マーカーは、がんから分泌される、あるいはがんがあるときに周囲の組織などから分泌される物質のことです。こうした物質は血流に乗って全身を巡っているため、血液検査でその値(濃度)を調べることができます。現時点で、腫瘍
厚生労働省は、医療機関でのICT(情報通信技術)を活用したカンファレンス実施の推進を、診療報酬の要件緩和によって後押しする方針だ。8日の中央社会保険医療協議会・総会で同省は、医療機関が退院時共同指導料などを算定する場合に求めているカンファの実施の要件を2020年度診療報酬改定で見直し、ICTの活用を「やむを得ない場合」以外でも認めることや、電子掲示板などによる実施も認めることなどを提案した。これに対する反対意見はなく、むしろ制限をなくしてカンファでのICTの活用をさらに進めるべきだとの指摘があった。【松村秀士】 診療報酬で要件としている医療機関でのカンファについては、患者への指導といった患者の同席が想定されるものと、そうではない定例報告や症例相談などがあり、その形式は医療機関同士で連携して行う場合と、医療機関内で行う場合がある。現在の診療報酬では、医療機関同士が連携して実施するカンファレン
かぜで医療機関を受診した患者に対して、実際には効果がない抗生物質などの抗菌薬が30%余りの人に処方され、処方される割合は地域によって20ポイントを超える差があることが、全国健康保険協会の調査で明らかになりました。 抗菌薬は細菌には効果がある一方で、ウイルスが原因のかぜやインフルエンザなどには効かず、不必要な処方が薬が効かない耐性菌を増やすことにつながっているとして、国は抗菌薬を適正に使用するよう求めています。 中小企業の健康保険を運営する全国健康保険協会は、およそ4000万人の加入者の診療報酬明細書を分析し、「急性上気道炎」、いわゆる「かぜ」の患者に対してどれだけ抗菌薬が処方されているか調べました。 その結果、処方された割合は昨年度は31.4%と、43.6%だった2015年度よりは12ポイント余り減っていましたが、依然不必要な処方が多いことが明らかになりました。 また、都道府県別のデータが
多剤服用が原因で、寝たきりの状態にまでなったという人に、話を聞くことができました。新江敏子さん、80歳です。3年前、うつや狭心症、不眠などで同時に複数の医療機関にかかっていた、新江さん。それぞれの病院から処方された薬は、12種類にのぼっていました。 新江敏子さん 「(飲むだけでも)大変ですね。飲みすぎているかなというのも、その時はあまり考えていなかったです。」 ある日、新江さんに異変が起こり始めます。その様子を、夫の祥泰さんが目の当たりにしました。 夫 祥泰さん 「ここで倒れちゃっているんですよ。顔半分があざでした。」 ふらつくことが増え、転倒。動くことが少なくなり、その後、寝たきりの状態にまで陥ってしまいました。当時のカルテです。日常的に介護が必要になり、夫の祥泰さんがつきっきりで、行っていました。 夫 祥泰さん 「何が(原因で)悪いんだか、トイレ行くのでも歩けなくなって。」 新江敏子さ
治療や患者の安全を理由にベッドや車いすにしばられる「身体拘束」。これまで主に精神科病院で問題視されてきたが、国の最新の調査で、一般病院に入院している認知症の人の半数近くが身体拘束されていることが明らかになった。また認知症でない人も多く拘束され、心身にダメージを受けたというケースも報告されている。患者の高齢化で認知症の割合が急増する一方、ケアの人員は手薄で、治療や安全のため、やむを得ず拘束を選ぶという病院が少なくないのだ。一方で、患者本位のケアや小さな工夫の積み重ねで拘束を減らすことに成功した病院も出てきている。医療現場を徹底的にルポし、身体拘束を減らすためのヒントを探る。 出演者 本田美和子さん (医師/国立病院機構 東京医療センター) 石井光太さん (作家) 宮田裕章さん (慶應義塾大学教授) 武田真一 (キャスター) 、 高山哲哉 (アナウンサー)
死因「老衰」……本当に?先日、週刊現代にある記事が掲載されました。 実は日本人の死因第3位「老衰で死ぬ」とはどういうことか 83歳の父親が3週間で亡くなり、自宅で看取ったかかりつけの医師は「老衰」と診断、息子は「老衰はいい死に方」だと思っていたが、当事者になると必ずしもそうではないと実感した、そんなエピソードが掲載されていました。 経過をもう少しみてみましょう。 83歳だった父は重い病気を患ったこともなく、悪いところなんてどこにもなかった。ところが亡くなる3週間前から、目に見えて体力が落ちていったんです。 (略) 「それから亡くなるまでの3週間は、あっという間に過ぎてしまった。父は日に日に衰弱していき、枯れ木のように痩せていきました。 (略) 幸助さんは老衰で亡くなる前は大病を患ったことすらなく、健康そのものだった。本人にしても80歳はおろか、90歳、100歳になっても自分が衰えていくとは
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