内戦中のシリアで昨年行方不明になったジャーナリスト、安田純平さん(42)の拘束犯の仲介者だと主張するシリア人男性は29日までに、事件からの撤退を表明した。「日本政府が拘束犯の要求に反応せず、仲介に失敗した」ためとしている。 男性はトルコに拠点を置くシリア人支援組織の一員とされ、男性の声明をフェイスブック上で別のシリア人が公表した。このシリア人によると、安田さんは現在もシリアで国際テロ組織アルカーイダ系の過激派「ヌスラ戦線」に拘束されており、健康状態は不明という。 安田さんとみられる男性が「助けてください」と日本語で書いた紙を示す画像が5月29日に公開され、日本政府が1カ月以内に交渉などを始めなければ、身柄は過激派組織「イスラム国」(IS)に引き渡されるだろうと仲介者側が語っていた。(共同)