空母や戦闘機が描かれた中国軍のポスター。「大国空軍の豪胆さを君も感じてみないか」(中央)などと書かれている=北京 写真を見る 北京の競技場で中国プロサッカーの試合を観戦した際のこと。キックオフ前に観客全員が立ち上がった。中国国歌の斉唱である。威勢のいい曲調なので、試合前の雰囲気にぴったり。みんな大声で歌っていた。 曲名は「義勇軍進行曲(行進曲)」。日中戦争が始まる1930年代に作られた抗日歌曲で、歌詞は「中華民族に最大の危機迫る」「われらが血肉で築こう新たな長城を!」「進め!進め!」と勇ましい。新中国が建国された49年に暫定的に国歌とされ、2004年に憲法に明記された。 長きにわたる戦争で辛酸をなめた中国。建国後もソ連などと緊張関係が続いた。その残像は色濃く、中国の高校、大学では今も入学時に軍事訓練が行われる。 北京の企業に勤める20代男性の場合、大学時代は10日程度、軍の施設に泊ま