中国を訪問中のロシアのプーチン首相は12日、北京の人民大会堂で胡錦濤国家主席と会談し、両国関係及び実務協力の強化について意見を交わした。11日夜には新華社通信など国営メディアの取材に応じ、米国を「寄生虫」と呼ぶなど、米欧への敵対心をのぞかせた。 同通信によると、プーチン首相はユーロ圏の債務危機を「経済問題というよりも政治的な問題だ」と断じ、中国などと構成する新興5カ国(BRICS)による積極的な支援を否定。「世界経済の寄生虫とは言わないが、ドル基軸の地位に寄生している」と米国を揶揄(やゆ)した。 一方で、プーチン首相は「福島の悲劇を注視しているが、露中のような大国が原発を持たないのは不可能だ」と述べ、脱原発に傾く米欧の潮流に背を向け、中国と手を携えて原発を推進していく姿勢を示した。(北京 川越一)