臼職人柴田さんは師匠(臼の)について2年ほど修行した後、独立して今の形に落ち着いたという。あいにく筆者は臼の世界に明るくないのだが、2年で独立って結構早くないのか。 「臼の作り方を聞きに行ったらとりあえず作ってみろ、っていわれたんです。それでみようみまねで作ってみたら、まあなんとか出来たんですね。それ見て師匠が、これなら1年くらい修行したら職人になれるよ、っていうんで、そのまま弟子入りさせてもらったんです」 なんというライトな弟子入り。しかしいきなり彫れって言われて臼彫れちゃうのもすごい。 柴田さんは臼職人になる前、広告業界で仕事をしていた。 「広告の仕事って、今はどうだかわかんないですが1年くらいやるとだいたい覚えちゃうんですよ。で、つまんなくなって別の職場に移る。20代はその繰り返しでしたね。バブルの時期だったかた仕事はたくさんありました」 いい時代である。まだ柴田さんには臼の「う」の