届けたくても、届けられないーー。 そんな思いを受け止めてくれる「漂流郵便局」が、香川県の小さな島にポツリと立っています。 宛先は、いつかのどこかの誰か こちらは瀬戸内国際芸術祭の作品の一つとして制作されたプロジェクト型アートです。外観は紛れもない「郵便局」ですが、日本郵便株式会社とはまったく無関係。あくまでアート作品です。 ただし、建物自体は1991年まで実際の郵便局として使用されてきたもの。内装も当時のままです。 ここには、全国から寄せられた手紙が展示されています。 それらの宛先は、今は亡き両親だったり、もうすぐ生まれてくる赤ちゃんだったり、まだ見ぬ運命の相手だったり。なかにはなかには、人へ宛てたものではなく、自分の思い出のなかにある風景に宛てた手紙まであります。 現実には、「届けたくでも届けることができない手紙」たち。それを受け付けてくれるのが漂流郵便局。漂流という名前は、郵便局自体を