日本にジョブズがいないことを嘆く声は尽きないが、彼のような人間は米国だけではなく、世界中にもそうめったにいない。彼の事績を学んで彼のようになれるなら、誰も苦労はしない。ジョブズは(残念ながら)日本には生まれなかったが、日本で同等の成功が収められたかどうか、これは議論が分かれるところだろう。 日本企業はいま、顧客との関係を再構築しようと必死だ。ジョブズの鮮やかな手並みに眩しさを覚えつつも、彼とは違う、日本の、自社なりの顧客とのコミュニケーションのデザイン方法があるはずだし、未来のためにぜひ必要なのだ。 この連載では、企業と顧客のコミュニケーションデザインについての研究、実績で、おそらく日本最先端を走る組織、電通の「CDC(Communication Design Center)のチームと共に考えていく。いわゆる「広告業界」の話にとどまらず、極力個別具体的な事実を通して、同じテーマに悩む方々の