読書の秋が到来した。お気に入りの1冊を探しに向かった先は図書館。図書館では、本の貸し出しというシンプルなやりとりに隠された、膨大な業務が行われている。神戸市立図書館の中心的な役割を担う中央図書館(同市中央区楠町7)の1日に密着した。(久保田麻依子) ◆午前8時45分 10月上旬の水曜日。9時15分の開館を前に、約20キロのケースが数箱届いた。中を開けると大量の本だ。 市内には中央図書館を含む11施設があり、予約本は全館で共有している。人気本の予約件数は、なんと1500人以上。他館から戻ってきたり、引き渡したりする本が、数百冊単位で日々“引っ越し”を繰り返している。阪本和子利用サービス課長(58)は「ネット予約が定着し、予約の利用が増えている。図書館は流通が命なんです」と強調する。戻ってきたと思ったら翌日は別の館へ…ということも珍しくないとか。 ◆午前10時 「本をお探しですか」。1階の児童