侘び寂びも解らぬまま
2Fでオーダーし、3Fで飲食するタイプのマクドナルドだった。 Sサイズのドリンクだけをお盆に乗せて3Fに登るおれの足音はやけに音が通った。 90席もあるフロアであり、昼過ぎでもあった。そんな頃合いならガヤガヤしているはずだ。しかし まるでその気配がなかった。そういう意味での「やけに」だ。 登り切ったその先は、その静けさとは裏腹に混んでいた。 3Fにてウロウロと席を探すおれは、既に通り過ぎた満席のテーブル席を意図せず振り返ることになる。 「じゃあ寝れば良かったじゃんッッ」 という金切り声によって。 そのとき気付いた。みんなその喧嘩を聞くために静かにしているのだと。 性分のせいもあり、おれは空席の探索を辞め、「カウンター席では余裕があれば1席離して座る」という配慮によって構成されたカウンター席に身を捩じ込むことで、彼らの状況を把握することに徹した。 紙ストローが口の中で異物感を感じる程度に溶け
自分なりに問題と向き合ってみて何がいけなかったのかを整理してみた結果、気付きがあったよという話です。 我が家では妻が二人目の子どもを妊娠してからセックスに応じてくれなくなり、気がつくと8年近く経っていました。 子どもがいるとなかなかそういう空気にならないのは仕方ないことですが、まれにチャンスがあっても「眠い」「疲れている」「休ませてほしい」と言われるばかりで、そうなると強要することが加害ともなりかねないとそれ以上は話が進まないままにフラストレーションを溜め込み続けました。 セックスの話をするときに、どうしても「気持ちがいい」という言葉が頭の中に支配的になります。 実際、妻と話し合う上で、どうしてそんなにセックスがしたいのかを説得するときに大きな戸惑いとなりました。 そんなに難しい話ではないかもしれませんが、でも、どうしてしたいのかを考えた時、「気持ちよくなりたい」「気持ちよくしたい」以外の
「ふーん、アタシとエッチしたいんだ♡それならこれから1ヶ月射精禁止ね♡我慢できたらシてあげてもいいよ♡」 「そ、そんな…!」 「うう…やっと半月…」 「先輩、大変そうですねぇ…私がこっそり…抜いてあげましょうか?♡」 「え!?い、いや…流石にそれは…」 「大丈夫ですよ♡ナイショにしといてあげますから♡ほら、私の身体…きっと気持ちいいですよ♡(ムチッ)」 「うう…」 「あっ!で、射精るっ!(ビュルルッ)」 「あはっ♡先輩すぐ射精しちゃってカワイイ♡それじゃあ…」 (バタンッ!) 「はーい残念でしたー♡約束を守れなかったのでアタシとのエッチはできませーん♡」 「そ、そんな!グルだったのか!」 「あーあ♡せっかくエッチできるチャンスだったのにねー♡」 「ザッコ♡堪え性のないザコちんぽ先輩♡一生エッチできずに死んじゃえば?♡」 「うっ、うううっ」 『話は聞かせてもらった!』 「!?誰っ!?」 (バ
中庸とは:過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。中正。中道。 言葉の意味としては読んで字のごとく。 偏りのないバランスの良い人間になりなさいという教えらしい。 それに対する先輩独自の解釈がなかなかに面白かった。 きっかけは、仕事で行き詰まったときに上司から「お前は極端すぎる」と指摘されたことにある。 先輩に何かを期待していたというわけでもないが、飲みの席で愚痴ってしまったことからこの話が始まった。 「特技を伸ばすことは悪いことではないのに、どうして出る杭は打たれるんですかね」 自分でも悔しさの滲んだ愚痴だったと思った。 そこで先輩の口から「中庸」という言葉が発せられた。 「中庸っていう教えがあって、何事もバランスがよいことが大事らしいよ」と。 最初は、そうやってこの人もこちらのアンバランスな部分を叩いて直してくるつもりなのだろうと思った。 しかし、続く先輩からの質問はそうではな
俺はホストやってたけど、人間的に騙しまくるのは無理だったので辞めた。 まずホストに来る女は全員病んでる。必ず病んでいる。初回というのがあって金額が安いので「物は試しに」などと言う輩もいるが、基本的に何かしら心に闇を抱えていることが多い。それを「ホストに来さえすれば解決する。こっちは客だぞ」と思っていることが多い。 色んなホストで初回ばかり来るやつは初回荒らしと言われる。こういうやつは基本わかる。まず金を持っていない。金を持っていないのにも関わらず頼み慣れている。観光のような形で来るやつらだ。こういう相手には基本的にホスト側も全力で行かない。ゴミ客のような扱いでとりあえず義務的にやる。 ホストは女の金を見ている。服装から風俗嬢か、一般人かなどを見ている。一般人で1人で来るヤツは比較的狙い目だ。普通は1人でホストになんか来るわけがないからだ。友達がいない・繋がりがないことを証明している。 ホス
プロ将棋界の2023年は、藤井聡太王将に羽生善治九段が挑戦する第72期王将戦挑戦手合七番勝負で事実上の開幕を迎える。 2017年、藤井がデビューからの29連勝を達成した時、羽生は「檜舞台で顔を合わせる日を楽しみにしています」という言葉を贈った。 その時は、誰もが王者・羽生に若き挑戦者・藤井が立ち向かう構図を思い浮かべたはずだが、そこから5年半、ずいぶんと形を変えたものの、いよいよ1月8日、静岡県掛川市でその幕が開こうとしている。将棋のタイトル戦としては極めて珍しい、両対局者への前日記者会見がネットで中継され、ニュースに様々な記事が踊り、メディアの空気はずいぶんとそわそわしている。 視聴法先にこちらを書いておいたほうがいいかもしれない。王将戦は普段のようにabema将棋チャンネルで無料で対局を見ることができない。CSの囲碁・将棋チャンネルが独占放映権を持っているからだ。以下の方法のいずれかを
追記(下記)早めの昼休憩に入ったら思いの外伸びていて驚いた。 メモ書きのコピペなので改行も見出しもないまま所感を投稿したので恥ずかしい。よくみたらタイトルも誤字していた。(修正した) 多かった反応を要約したのでいくつか回答しようと思う。 発達障害にも幅があるし知能指数にもよるだろ その通り。言及していた漫画でも突っ込まれていたが漫画のセリフをそのままタイトルにしたのでこうなった。 そのかわり文内にadhd(不注意優勢)と明記したので許してくれ 増田は二次被害(鬱など)がなくてよかった。 余裕であった。小学校低学年から中学卒業まで男女関係なくいじめられてきたので… 沢山あるいじめエピソードを一つ挙げるなら、防具もグローブもなしでソフト部の女からキャッチャーしろって言われて的にされたりした。 メンタルクリニック通って薬を飲んだりしていた時期もあったが、母親の支えが一番デカかった。 自殺未遂も何
大学時代、ひたすらあえぎ声を書くバイトをしていたことがある。 先輩から紹介してもらった、エロゲメーカーのバイトだ。 その会社のエロゲはストーリーに力を入れていて、所属するライターも自分の文章にプライドを持っている人ばかりだった。 彼らからすると、Hシーンのあえぎ声を書くなどというのは苦痛でしかなく、学生バイトにでも任せておけということになったらしい。 仕事がどういう感じだったかというと、 1. まず、「チャックを開けた」とか「腰を動かすスピードが速くなっていく」といったHシーンの「ト書き」部分だけを渡される。 2. ここに私が「んっ……」とか「あんっあんっ」といったあえぎ声をてきとうな塩梅で足していく。 3. シナリオライターのチェックを受けて終了。 という流れだった。 簡単に思えるかもしれないが、これが意外に難しい。 まず、Hシーンにはある程度の長さがあるので、その範囲内で的確に盛り上げ
多くの職場にはおやつを入れておく箱があると思う。 まれに取引先からもらった高い菓子が入っていることもあるが 多くはコンビニもしくはスーパーで買える袋菓子、 歌舞伎揚げ、アルフォート、ルマンドなどがつっこまれている。 私は、あの箱を漁るおっさんが大好きである。 殺したいほど憎い上司でさえ おやつを漁るおっさんの背中は、最高に色っぽい。 あれだけ厳密にタイムマネジメントして 朝四時起きして出社する部長が、 彼が勝ち取ってきた椅子を離れ、取りにくるのだ。一袋298円の菓子を。 なんて無防備な背中。 高いところまで昇りつめてきた男の疲労と孤独と弱さ。 それを見ると、この男も私と同じ人間で、 私と同じように菓子を食べて育ち、 そしてうまくいけば私より先に死ぬんだなあと思える。 そう考えるとすっとして、 他に開封されている菓子がいろいろあるのに 未開封の菓子をワイルドに開けていくデリカシーの無さも含め
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