体と正整数に対して、写像が多項式写像であるとは、が存在して が成り立つときにいいます。この記事ではTaoの記事とそのコメント欄を参考に次の定理のSerreの議論に基づいた証明を解説します。 定理(Ax, Grothendieck) 多項式写像が単射であれば全射である。 Hilbertの零点定理を使って、無限体の話を有限体の話へ移します。この記事では可換環論の幾つかの命題を既知と仮定します。 可換環論からの準備 Hilbertの零点定理 を体とし、のイデアルに対して、を と定義し、集合に対してイデアルを と定義する。また、イデアルの根基は で定義されるイデアルである。 Hilbertの零点定理 を代数閉体とする。このとき、イデアルに対して、が成り立つ。 Jacobson環 可換環がJacobson環であるとは、の任意の素イデアルが極大イデアルの共通部分として表されるときにいう。体やはJaco