金融危機の原因は変動相場制!? 金子勝『閉塞経済』ちくま新書 筑摩書房は人文系の出版社で、30年前に一度倒産している。社員は数十人だから、経済学の理解できる編集者がいないのはしょうがないが、ちくま新書だけで5冊も著者の本を出しているのは恥ずかしい。本書はもうネタが尽きて、いつもと同じ「八つぁん熊さん」レベルの床屋経済談義が脈絡なく続く。 中でも白眉は、サブタイトルにもある「金融資本主義」を論じた第1章である。著者は、最近のサブプライムローンなどの金融危機の原因は変動相場制だと主張するのだ。彼によれば、戦後のIMF体制による固定為替相場制は「各国通貨と金がリンクしていた」から安定していたのだが、それが変動相場制への移行によって崩れたため、「ドルはいくら発行してもかまわない」状態になり、それがバブルを生んだという。 著者は、金本位制とIMF体制の区別もついていない。IMFは管理通貨制であり、
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