今月の初め、親の所得と学力の関係を初めて認めた文部科学省の調査が話題になった。 一方、その少し前に、デロングが蔵出しエントリを立てて、所得の不平等は確かに親から子に引き継がれる要素が大きいが、それにはIQの遺伝は僅かしか関与しないことを強調した(ひさまつさん経由)。 デロングのその主張の元ネタとなったボールズとギンティスの2002年の論文から、該当の統計分析を行なった箇所を簡単にまとめてみる。 IQの1標準偏差の違いは、対数変換した所得に0.15標準偏差の違いをもたらす (他の条件を一定として)。 一方、学校に通う年数は、所得に0.22の違いをもたらす。 IQが学校に通う年数にもたらす影響は、0.53である。 従って、IQが最終的に所得にもたらす影響は、0.15+0.22×0.53=0.266である。 これをbとおく。 IQが親から子に遺伝する係数は、γ=h2(1+m)/2と表せる。 ここ