さらに指摘すれば、一見すると人材の交流があまりないように思われる「戦略コンサルティング業界」と「新興ベンチャー業界」ですが、昨今では「新卒で戦略コンサルティング会社に入り、途中から新興ベンチャー企業に転職する」というのは一つのキャリアパターンになりつつあります。 たとえば、DeNAの創業メンバーのほとんどが、戦略コンサルティング会社の出身者であったことを思い返せば、これらの業界に集まる人たちに共通する「思考の様式」がおわかりいただけると思います。その思考様式とはつまり「社会というシステムの是非を問わず、そのシステムの中で高い得点を取ることだけにしか興味がない」という考え方です。 「システムによく適応する」≠「よりよい人生」 ここにこそ「エリートこそ美意識を鍛えるべきである」というアイデアの根幹につながる問題があります。エリートというのはシステムに対して最高度の適応力を持っている人たちです。