現在、サッカー番組の司会者として、にこやかな笑顔と配慮のきいた言葉遣いを見せている平野孝は、年を取るに従って印象を変えた人物だった。 最初に話をしたころはつっけんどんに思えていたが、数年経って話を聞くと丁寧に話をしてくれるようになり、今では鋭い意見の中にも気配りがきいている。 本人も「昔は話しにくかったと言われるんですよ」と明るく語っていた。 いつも屈託のない笑顔を見せているが、サッカー人生では苦労が連続したはずだ。 1998年、日本中の熱狂の中ワールドカップに出場し、2002年では主力になるとみられていたのが、2000年に所属していた名古屋を退団すると、その後7つのチームを渡り歩き、最後はカナダで現役を終えたのだ。 名古屋を退団したいきさつは、相手の意見もあるだろうからと一方的な話にしないため詳細を語らない。 日本が初出場を果たしたフランスワールドカップの思い出を聞くとともに、心優しい人