大会も終盤を迎えたリオデジャネイロ五輪。日本選手を中心に取材を進めているなかで、さまざまな意味を含んだ涙を見てきた。金メダルにわき出た歓喜、金メダルが近そうで遠かった現実にむせび泣く悔恨、メダルは胸になくとも力を出し切った充実感。4年間、選手によってはもっと長く人生そのものの凝縮された瞬間が訪れる場面を目の当たりにする。さまざまな感情を揺り動かされる貴重な空間-。 18日、バドミントンの女子ダブルス決勝で日本選手史上初の金メダルを手にした「タカマツ」ペアの松友美佐紀(24)が流した涙は、それまで見た涙とは大きく違う意味を含み、この金メダリストのすごみを際立たせるものだった。「試合をしていく上で、五輪で最後と決めている選手もたくさんいて、それがつらくて。いろいろな選手がいて、いまの自分がいる。もう戦えないと思うとつらかったです…」 そう言葉を紡いで、涙がこぼれた。感謝であり、喪失感であり、そ