全樹脂電池工場の完成記念式典に臨む三洋化成工業の安藤社長(中央)ら(25日、福井県越前市で) 化学品メーカーの三洋化成工業は25日、次世代リチウムイオン電池の一つで、独自に開発した「全樹脂電池」を生産する武生(たけふ)工場(福井県越前市)が完成したと発表した。10月に本格稼働する。大容量で安全性が高いことが特徴で、ロボットなど幅広い分野での利用を目指す。次世代電池を巡っては、トヨタ自動車やパナソニックなどが開発する「全固体電池」も有力視され、開発競争が激しさを増している。(久米浩之) 全樹脂電池の開発・生産は、三洋化成関連会社の「APB」(東京)が担う。電極などの部品に金属ではなく、樹脂を使うため現行のリチウムイオン電池と比べて発火や爆発の危険性が低い一方、容量は約2倍だ。樹脂は加工が比較的容易で、量産コストを半分程度に下げられる。 工場の年間生産能力は、約2500台分の電気自動車(EV)