西日本豪雨(平成30年7月豪雨)から1年。中国地方を中心とした被災地にはいまだに多くの傷痕が残り、復旧、復興の取り組みが続いています。最も被害の大きかった地域の一つ、岡山県総社(そうじゃ)市では市内2カ所に46戸分の仮設住宅が建設され、40世帯近くが今も入居しています。ただし、その建物は木造の伝統的な「板倉構法」。しかも東日本大震災で被災した福島県から移築されるという前例のないプロジェクトでした。偶然が重なったその経緯や、1年を経て浮かび上がった課題と可能性を現地で追いました。 岡山県総社市の西公民館グラウンドに建てられた板倉構法の木造仮設住宅 市内2カ所に建てられた「板倉」仮設 総社は岡山県中南部に位置する人口6万8,000人余りの市。東は岡山市、南は倉敷市に接し、商業地や住宅地も広がりますが、市内の大半は小さな集落が点在する山間部です。 その中心を流れる高梁(たかはし)川が昨年7月6日