エアコンの省エネ性能が、「かさ上げ」されている“疑惑”が持ち上がった。大手メーカーは否定するが、通称「爆風モード」と呼ばれる手法を使う。電気代の節約効果でも、カタログと実態の乖離が問題視され始めた。 「エアコンに“爆風モード”という隠し機能があるのを知っていますか」。あるエアコン業界関係者は、匿名を条件にこう語った。「これにより、省エネ性能が実態以上に良く見えている」。 エアコンの省エネ性能は日本工業規格(JIS)に基づき、メーカー各社が加盟する日本冷凍空調工業会(日冷工)のセンターで試験する。測定するのは冷暖房能力を消費電力で割った「COP」という指標だ。この値が高いほど、省エネ性能が高い。現在は「APF」という指標がカタログに掲載されているが、実質的にはCOPとほぼ同じだ。 APFは、政府がエコポイントを付与する基準にもなる。だが前出の関係者によれば、この数値が「大きくかさ上げされてい