2020年1月から船舶燃料の環境規制が大幅に強化されることにともない、船会社が対策に頭を悩ませています。コストアップによる運賃の値上げも見込まれますが、規制強化まで1年を切るなかでも、それがどれほどになるかが見通せない状況です。 全世界的な規制強化 トラック業界の運転手不足や労働環境の改善がさけばれ、フェリーや貨物航路の需要が高まっているなか、2020年1月から、多くの航路で運賃が上がるかもしれません。 黒煙を上げる船のイメージ。船舶燃料に使われる「C重油」は、硫黄分が比較的多く含まれる(画像:federicofoto/123RF)。 というのは、船舶の燃料に含まれるSOx(硫黄酸化物)の規制が大幅に強化されるからです。船舶の排気ガスによる環境への悪影響を低減すべく、海洋汚染防止条約(MARPOL条約)に基づき世界的に実施されるもので、現行では燃料中のSOx濃度が「3.50%以下」とされて