なぜ加齢で記憶力が衰えるのか:科学ニュースの森
2013年01月28日 なぜ加齢で記憶力が衰えるのか 背景： ヒトは高齢になると様々な身体的機能が衰えていく。記憶力に関しては、認知症などを患っていなくても自然に低下していくが、なぜそのようなことが起こってしまうのだろうか。またそれを防ぐ手立てはあるのだろうか。 要約： 睡眠と長期記憶の形成に深い関わりがあることはよく知られている。海馬に留められた短期記憶は、振幅の大きな脳波であるデルタ波を出すような、深い眠り（徐波睡眠）に陥っているときに前頭前野へと伝達され長期記憶として保存される。 しかしカリフォルニア大学バークリー校のBryce Mander博士らによって、高齢者は徐波睡眠の質の低下によって、海馬から前頭前野へと効率よく記憶が伝達されず、新しい記憶が上書きされることで物覚えが悪くなってしまうことが分かった。 健康な大人は通常睡眠時間の4分の1ほどをレム睡眠で過ごす。ノンレム睡眠中のあ
休憩すれば記憶が長持ち - Highlight of the Month - RIKEN RESEARCH
22 December 2011 新しい運動技能を覚えるときは適度な休憩を取ると効果的なことが、マウスをモデルにした実験で明らかになった 運動技能を新たに学習するとき、神経細胞が読み取った情報はまず、記憶の一時的な「保持領域」で符号化される。その後、この「記憶痕跡」が別の脳領域へ移されて長期記憶として保存され、学習の効果、すなわち記憶が定着する。この学習プロセスの基盤を解明するのは難しく、不明な点が多い。このほど、このプロセスの一部が、理研脳科学総合研究センター（埼玉県和光市）の永雄総一チームリーダー（TL）の研究チームによって明らかにされた1。 数年前、研究チームは、水平性視機性眼球反応（HOKR）の習得について調べた。HOKRは、車窓の外を流れる景色など、視野内を広く横方向に移動する物がぶれて見えないように眼球運動で補正するメカニズムであり、運動学習を理解するための単純で汎用性の高いモ
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記憶力を増減させるタンパク質の発見:科学ニュースの森
