日韓関係の最大の懸案となっていた慰安婦問題で両国政府が合意に達してから一年あまり。 両首脳が「歴史的な合意」と成果を強調していた合意が崩壊の危機に瀕しています。 韓国プサンの日本総領事館前に慰安婦問題を象徴する少女像が設置されたことを受けて、日本政府はソウルに駐在する長嶺大使らを一時帰国させるなどの対抗措置を取りました。 一方、韓国では政権奪還を目指す野党陣営を中心に合意の撤回と再交渉を求める声が高まっています。 ◇せっかくまとまったはずの合意は、なぜまたこじれてしまったのでしょうか。 ◇その背景には、韓国政治の混乱の中で、慰安婦問題が政争の具になってしまっていることが指摘できます。 ◇今回の事態、果たして“落としどころ”はあるのでしょうか? 順に見ていきます。 おととしの年末、日韓の両外相が揃って発表した合意で、慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に解決される」はずでした。 ただ合意成立当時