シンガポール・セントーサ島のカペラホテルで開かれた首脳会談に臨む米国のドナルド・トランプ大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(2018年6月12日撮影)。(c)AFP PHOTO / POOL / Anthony WALLACE〔AFPBB News〕 初の米朝首脳会談は、共同声明に署名し終了した。しかし、最大の焦点であった北朝鮮の非核化については、何ら具体的進展はなく、その後の交渉でも実質的な進展は見られない。 米朝会談で何がもたらされるのか?その背景には何があるのだろうか? 1 事実上の北朝鮮の核保有黙認に等しい米朝合意 共同声明には、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の「朝鮮半島の完全な非核化に向けた決意」の再確認と、その見返りとしての、ドナルド・トランプ米大統領による、北朝鮮に対する体制の「安全の保証」の約束という文言が盛り込まれた。 しかし、「朝鮮半島の完全な非核