積年の不満、「晴れ舞台」葬る 4円の運賃値上げで爆発-APEC開催断念のチリ 2019年11月01日14時10分 チリのピニェラ大統領=26日、サンティアゴ(AFP時事) 【サンパウロ時事】チリのピニェラ大統領が30日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開催断念を発表した。ホスト国としてピニェラ政権の晴れ舞台となるはずだったが、若い世代を中心に格差拡大に対する積年の不満がデモや暴動となって噴き出し、最も重要な治安維持が不能となった。 ◇二つのチリ 大混乱の引き金は、政府が6日に首都サンティアゴの地下鉄の運賃を「30ペソ(約4円)値上げする」と発表したことだった。市内では11月16日に開幕するAPECの準備が急がれていた。 チリの警官隊に石を投げるデモ参加者=28日、サンティアゴ(AFP時事) 首都でデモに参加した女性(28)は、ロイター通信に「この国には二つのチリがある。金持ち