インドで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議を控え、ドラウパディ・ムルム大統領から送られた晩餐会の招待状に、従来の「インド大統領」ではなく「バーラト大統領」と表記されていたことがわかり、国内で政治的な論争が起きている。バーラトはヒンディー語でのインドの呼称。野党側は、ナレンドラ・モディ首相の与党インド人民党(BJP)がナショナル・アイデンティーを政治化しようとしていると反発している。 発端は4日、首都ニューデリーで9〜10日に開催されるG20首脳会議の参加者に大統領府から送られた招待状が、ソーシャルメディアで共有されたことだった。国名の表記が「バーラト」と、慣例と違うことに一部の野党政治家が疑問を呈した。 インドのいくつかの現地語では、インドはバーラトや「ヒンドゥスタン」と呼ばれ、バーラトは憲法でも「インディア」と並んで正式な国名として認められている。ただ、英語の公式文書ではインディア