戦時中、非公式ながら捕虜たちがオリンピックを開催していたという事実を知っているだろうか?第二次世界大戦の勃発とともに、世界はどす黒い敵対意識に包まれ、1940年に東京で開かれる予定だったオリンピックは、日本政府が開催権を返上、実現には至らなかった。この時までに、各国の分裂は決定的になったようだ。 この状態は1944年のロンドンオリンピックまで続いたが、ポーランドのある捕虜収容所が伝統をよみがえらせようとした。「ヴォルデンベルグ・オリンピック」は、そんな狂った時代において、仲間意識や平時の状態に飢えていた、捕虜だけで作られたオリンピックだ。