日本では、原発を巡る議論は「原発か、脱原発か」という二項対立になりがちだ。「親アメリカか、反アメリカか」もそうだし、「学力か、ゆとりか」もそう。 しかし、こういう分かりやすい議論はテレビ向きではあるが、好きか嫌いかの子供の対立と変わりない。唯一の「正解」があると思うのは誤りだ。 私たちが目指さなければならないのはいつも、現実を踏まえた理想の追求。最右翼と最左翼の間にこそ納得できる解「納得解」があるからだ。 そのためには、二項対立でパターン認識する(決めつける)のではなく、賛成の立場と反対の立場をディベートしながら、右から見るとどう見えるか、左からはどうか、下から覗くととどんな事情が隠されているのか、複眼思考でものごとの本質を見極めようとする努力がいる。 アタマの中で起こすこの作業のことを「クリティカルシンキング」と呼ぶ。 直訳して「批判的な思考」と勘違いされるかもしれないが、日本語でいう「