まず、一冊目はこちらです。定番といいますか、必読の古典、マルサスの『人口論』です。 この本は、18世紀終わり、フランス革命後の時代に英国で著された古典で、読者のみなさんも名前ぐらいはご存じだと思いますが、実際に読んだ人は少ないのではないでしょうか。 古典は、結論は簡単なのです。マルサスの場合も、食糧は算術級数的にしか増えないけれども、人口は幾何級数的、すなわちネズミ算的に増える、ということを言っているわけです。たとえばほぼ同じ時代に生きたアダム・スミスの『国富論』に書かれた「神の見えざる手」「市場主義」というコンセプトは誰でも知っていますが、果たして著者らがそこに至るまでのプロセスをどこまで理解しているでしょうか? 結論ではなく、どの事実とデータでそう考えたのかを知る 少子化とはとどのつまりは人口問題です。そこでマルサスの人口論では、マルサスが200年前、どのような事実とデータに基づき、ど