菅直人内閣に対する不信任決議案の「茶番」をテレビで見ながら、この原稿を書いている。政治の「一寸先は闇」とはよく言ったものだが、日本政治の混乱を横目で見つつ、筆者はふと中国の若き政治家、胡春華・内モンゴル自治区党書記のことを考えていた。 現在、内蒙古ではちょっとした騒動が起きている。ことの始まりは5月11日に内モンゴルで起きた蒙古族牧民の「轢死事件」だ。漢族石炭開発業者による牧場破壊に反対していたメルゲンという男性が漢族ドライバーの運転するトラックに轢き殺された事件である。 胡春華書記は中国共産党指導者第6世代の出世頭の1人だ。彼の「領地」内で起きた混乱をうまく解決できるか否かは、胡春華という政治家の将来を左右するだろう。今回はこのような観点から内モンゴルで起きている抗議活動について考えてみたい。 モンゴル人を見下す漢族