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本とアラブに関するlaislanopiraのブックマーク (5)

  • 『イスラエル情報戦史』汝の敵を知りたくば、汝の敵の詩を読め - HONZ

    書店で見かけた書の帯にはこう書かれている「イスラエル政府公認の初の資料!」と。 建国以来、常に近隣の国々と緊張関係にあり続けたイスラエルは、特異な歴史性から、その国家規模に比して驚異的な能力を持つ諜報機関を持つにいたった。IDI(イスラエル国防軍諜報機関アマン)、IDA(イスラエル治安機関シャバック)、そして対外諜報担うモサド。これらの組織は映画やドラマ、小説などの娯楽作品にいくども登場し、私たちに非日常の世界を疑似体験させてくれる。 しかし、娯楽作品やゴシップネタとして、その名前を頻繁に目にするこれらの組織の実態や歴史を知る機会は意外に少ない。そもそも諜報機関はその存在と活動が衆目に晒されることを嫌う。しかし、インターネットの発展とともに知る権利という概念が急速に発展する現代において、そのすべて覆い隠そうとすれば、かえって人々から奇異の目で見られ、根も葉もない憶測や疑惑を広める事になっ

    『イスラエル情報戦史』汝の敵を知りたくば、汝の敵の詩を読め - HONZ
  • 『アラブ500年史:オスマン帝国支配から「アラブ革命」まで』by 出口 治明 - HONZ

    ムハンマドからウマイヤ朝、アッバース朝などの盛期に至るアラブの歴史は、わが国でも比較的よく知られている、と言っていいだろう。僕たちがいつも戸惑うのは、あの輝かしいイスラーム帝国の時代と、現代のアラブ社会の混迷振りとの著しい落差にある。その間隙を埋める意欲作が現れた。それが、書である。 書は、1516年のマルジュ・ダービク(アレッポ郊外)の戦いから筆を起こす。エジプトのマムルーク朝とオスマン朝が対峙した。勝利したオスマン朝のセリム1世は、エジプトを手に入れた。この時点から、アラブ世界はイスタンブールの支配を受けることになる。 書は上下2巻から成る。上巻はオスマン朝の400年に及ぶ支配下のアラブ世界を描き出し、第1次世界大戦後の英仏の支配から、第2次世界大戦終結時までを取り扱う。下巻は、ナセルに象徴されるアラブ・ナショナリズムの台頭からその衰退、石油の時代を経て、冷戦崩壊後の現代(アラブ

    『アラブ500年史:オスマン帝国支配から「アラブ革命」まで』by 出口 治明 - HONZ
  • 『それでも、私は憎まない』 人間は、みな同じだから - HONZ

    失った。書の著者、パレスチナ人医師のイゼルディン・アブエライシュは、あまりに多くを失ってしまった。それは彼が、を急性白血病で亡くしてしまったものの、8人の子供たちと前向きに生きていこうと決意した矢先の出来事だった。2009年1月、3人の娘と1人の姪は、二度と抱きしめることができないほどに遠くへと旅立ってしまった。奪われた、という表現の方が適切かもしれない。4人の命を奪ったのは、イスラエル軍によるガザ地区への爆撃。 亡くなった母親の代わりに妹弟たちの面倒を見ていた長女ベッサンは経営学の学位取得寸前だった。数学が得意だった15歳のマヤは父親のような医師になりたいと思っていた。詩の才能があった13歳のアーヤはジャーナリストになる夢を無邪気に語っていた。姪のヌアは、当の姉妹のようにイゼルディンの子供たちと仲が良かった。彼女たちの将来は、永久に奪われてしまった。 バラバラになった娘たちの身体を

    『それでも、私は憎まない』 人間は、みな同じだから - HONZ
  • 『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』 by 出口 治明 - HONZ

    フェデリーコ(フリードリッヒのイタリア語読み。彼が愛したプーリアでは、今でもそう呼ばれているので、ここではフェデリーコと呼ぶ)のことを識ったのは、ブルクハルトが最初だった。学生時代の頃、愛読していた世界の名著(中央公論社)からである。彼のことを、もっともっと知りたいと思い、13世紀の西洋史のを探してきては、むさぼり読んだ。パレルモやカステル・デル・モンテ、ルチェラのあるプーリアはもちろん、彼が生まれたイエージにも足を伸ばした。何に魅かれたのだろう。若い頃は、生まれ変わったら彼に仕えたいと思ったり、文才があるなら彼の伝記を書きたい、と夢想したりしていたのだから。 チェーザレ・ボルジアを書き、カエサルを書いた著者が、2人の間を埋めるフェデリーコを書き上げた。著者は稀代の語り上手なので、上下約550ページを一気に読み終えた。フェデリーコについては、カントーロヴィッチの大作「皇帝フリードリッヒ二

    『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』 by 出口 治明 - HONZ
  • 命を賭した報道 『暗殺国家ロシア 消されたジャーナリストを追う』 福田ますみ - HONZ

    採点:★★★★☆ ジャーナリズムに興味がある人はもちろん、権力に文字通り命懸けで立ち向かう姿を目撃したい人におススメ。 書は暗殺国家ロシアで「不偏不党」「公正中立」なニュースを発信し続ける独立系新聞「ノーバヤカゼータ(ロシア語で新しい新聞の意)」の設立から現在までの奮闘の記録。なぜ彼らは同僚・部下が次々と暗殺されても、その活動を止めないのか、ジャーナリズムの意義を考え直す一冊。 ■感想 大辞泉によると暗殺とは「主に政治上の立場や思想の相違などから、ひそかに要人をねらって殺すこと」とあるので、ロシアで行われていることはもはや暗殺ですらない。なぜなら、その行為は「ひそかに」行われることなく、時には白昼で行われているからだ。「ノーバヤガゼータは創刊以来2人の記者が殺され、1人が不審死を遂げ、契約記者2名、さらには顧問弁護士までもが殺されている。毒物によると思われる奇怪な死を遂げたユーリー・シュ

    命を賭した報道 『暗殺国家ロシア 消されたジャーナリストを追う』 福田ますみ - HONZ
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