【北野隆一】天皇、皇后両陛下が26~28日、「全国豊かな海づくり大会」出席のため熊本県を訪れる。今回は水俣市を初めて訪問し、慰霊碑への供花や水俣病患者らとの懇談が予定されている。国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(けいふうえん、合志〈こうし〉市)も初訪問し、入所者と懇談する。水俣病の被害拡大やハンセン病の隔離政策については国の責任を認める判決が確定しており、重い歴史を背負った地への訪問となる。 両陛下は27日、水俣市立水俣病資料館で、水俣病体験を講演する「語り部の会」の患者や家族10人と懇談する。迎える緒方正実会長(55)は宮内庁から「セレモニーではなく、つらかったことや苦しかったことを聞かせてほしい」と求められているという。 緒方さんは、水俣病認定申請を4回棄却され、行政不服審査請求をへて2007年にようやく認定された。「いまでは行政も原因企業チッソも許す心境になれたが、被害者の中にはまだ許