正体不明のストリートアーティスト、バンクシーを題材にした新たなドキュメンタリー映画『バンクシーを盗んだ男』が8月4日(土)に公開される。ロンドンを中心に、世界各地で反権力的なグラフィティを描くことで注目されているバンクシーは、多くの人にとって、実物の作品よりもニュースサイトなどウェブ上で馴染み深い存在だ。 日本で2016年に公開された『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』では、1ヶ月間バンクシーがニューヨークを舞台に繰り広げたゲリラ展覧会「Better Out Than In(屋内より外がいい)」の顛末を追い、バンクシーを積極的に楽しむニューヨーカーたちの姿が描かれた。『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』は、映画評論家の森直人が評価するように「実に親切なバンクシー入門」である。では、本作は何か。本作はさしずめ「正鵠を射たバンクシー基礎編」といえないだろうか。入門編で得た知識をスプリングボードに、