遺体番号236。2011年5月8日、赤岩漁港にて発見。 DNA鑑定を経て、姉が名前を取り戻したのは、 9月21日のことだった。 「部落」「犯罪被害者」「ペットの殺処分」「ネット右翼」「風俗街が消える」……。 ノンフィクションライターの藤井誠二が、 話題のノンフィクョン作品やテーマを取り上げる「ニコ生ノンフィクション論」。 東北大震災から9カ月。 無慈悲な自然は二万人近い人の命を奪った。 ノンフィクションの書き手は、さまざまなかたちで、 この被災による惨死に向き合うことになった。 被災地の惨状を目の当たりにした石井光太は、 釜石市の遺体安置所の状況を丹念に記録し、『遺体』を書く。 「遺体番号236。2011年5月8日、赤岩漁港にて発見。 DNA鑑定を経て、姉が名前を取り戻したのは、9月21日のことだった。」 こう書いたのは、宮城県の気仙沼出身のスポーツライター生島淳。 彼が失意の中で書いたの