どう考えても胡散臭い話なのに、なぜか騙されてしまう人がいる――。そんな詐欺の代表格が「M資金詐欺」だ。M資金とは、GHQが占領下の日本で接収した莫大な財産を基にした(というフレコミの)秘密資金のこと。今も密かに運用されており、特別に選ばれた者だけがその恩恵にあずかれるという。 被害者は主に企業の経営者や実業家らで、「M資金から融資を受けられる」などと詐欺師に持ちかけられ、手数料や紹介料の名目で多額の金を騙し取られるのがパターンだ。なぜこんな荒唐無稽な話を信じてしまうのか不思議でならないが、忘れた頃にきまってニュースになるのは、それだけ秘密資金の存在を信じる(信じたい)人がいるからだろう。 M資金と同じように、なぜ騙されてしまうのか、理由がよくわからないのが「国際ロマンス詐欺」である。古株のM資金詐欺と違い、こちらは新手の詐欺だ。 国際ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリで偽の人物を装