◇ナイル川周辺国から「誘い」続々 「水売り」の若者が、大きなポリ容器を山のように自転車に乗せて、よろよろと押し進める。でこぼこ道で、時々崩れ落ちそうになるのを必死で支える。だがお客が水を買いに来ると、はじけるような笑顔を見せる。9日、新国家として独立する「南スーダン共和国」。首都となるジュバの街で、彼らは「ドンキー(ロバ)」と呼ばれていた。なるほど、自転車は荷物を積んだロバのようにも見える。 ナイル川の支流で水をくみ、街で行商する。水20リットルの値段は、2スーダンポンド(約1米ドル弱)。積んでいたポリ容器10個は、2時間ほどで売り切れた。「重労働だけど、市民に役立つ仕事だからね。ナイルさまさまだよ」。カエラさん(18)はそう言って、額の汗をぬぐった。 南スーダンでは最近、水の需要が急激に高まり、供給不足の状態が続いている。独立を前に、北部への出稼ぎ労働者が続々と帰還。ジュバ周辺では水も電