<<前の記事 職人不足の深刻化によって建設コストが上昇し、建設工事が前に進まない事態が続出している。日経アーキテクチュアと日経コンストラクションが6月24日に発行した書籍「人材危機―建設業から沈む日本」から、労務費高騰が首都圏のマンションに与える影響をリポートする。 働き盛りのファミリー層にも、職人不足の影は忍び寄っている。川崎市の向ケ丘遊園跡地で住宅開発計画を白紙撤回した小田急電鉄の事例(「人材危機(1)労務費高騰で事業が止まる」参照)は序章にすぎない。 分譲マンションを手掛けるデベロッパー数社に話を聞いたところ、各社から悲鳴に近い言葉が返ってきた。「事業判断上は黄信号。既に土地を取得していても、計画を諦めて土地を塩漬けにしたり、用途変更を検討したりすることもあり得る」 なぜ、このような状態に陥っているのか。デベロッパーは事業計画を立てる際に複数の要因を考慮しなければならないからだ。今は