著者:鹿島 茂出版社:中央公論新社装丁:単行本(512ページ)発売日:2018-12-19 ISBN-10:412005151X ISBN-13:978-4120051517 なぜ今、小林一三なのか?正しい損得勘定のすすめまえまえから、小林一三について書いてみたいと思っていた。 小林一三というのはもちろん、阪急をつくり、沿線の分譲地をつくり、宝塚歌劇団をつくり、阪急百貨店をつくり、東宝をつくり、阪急ブレーブスをつくり、第一ホテルをつくり、東京電燈(後の東京電力)を再建し、昭和肥料(後の昭和電工)や日本軽金属をつくった、あの小林一三のことである。 なぜかといえば、小林一三ほど、デカルト的な合理的精神を体現した企業家は日本にはいないと感じているからである。ちなみに、デカルト的合理的精神というと随分難しい言葉のように響くかもしれないが、なんのことはない、「正しい損得勘定」ということである。 小林