地平線から昇る太陽のように神々しい色、蜂蜜のような甘さを秘めるエキゾチックな香りとほろ苦い風味———。古代エジプトのクレオパトラも愛したという記述がある乾燥サフランは、たった1gを得るために約250もの花が必要。稀少ゆえに最も高価なスパイスで“レッドゴールド”とも呼ばれている。イランやインドが主な生産地であるが、じつは九州の一部の地域で栽培されていることをご存知だろうか? 1つの花からたった3本しか採れないサフランの雌しべ。人の手で丁寧に摘み取るため、希少性が高く、非常に高価。調理に 手間もかかるため、近年はサフランパウダーを使うレストランも少なくない。 COURTESY OF AKAITO 日本におけるサフランの歴史を遡ると、江戸時代の鎖国(1612年)以前にオランダから九州へ生薬として伝わり、今も大分県と佐賀県のごく一部の地域で栽培されている。穏やかな気候で土壌も豊か、恵まれた環境で栽